F1アゼルバイジャンGP(バクー市街地)の決勝レースの最終ラップ、ピットレーン上であわや人身事故というヒヤリとする場面があった。
ピットレーンスタートのエステバン・オコン(アルピーヌ)がピットストップを最終ラップまで我慢、セーフティカーをギリギリまで待っていたがその戦略は外れてしまった。ポイント圏内を走行していたが、ルール上は2種類のタイヤを使わなければならないため、最終ラップで仕方なくピットイン。
●【2023F1第4戦アゼルバイジャンGP】決勝レースの結果、タイム差、周回数、ピット回数
しかし、オコンがピットインするとピットレーンのエントリー付近にはセレモニーを準備中のFIA関係者やカメラマンなど多くの人たちがすでにピットレーンのファストレーン上をふさいでいて、あわや人身事故になるところだった。
オコンは「レースが終わっていないのに人が集まっていて怖い瞬間だった」と振り返っている。(●エステバン・オコン、最終周にピットレーンでヒヤリ!「レースが終わっていないのにピットレーンに人が集まっていて怖い瞬間だった」)
これを受け、スチュワードはFIA代表者を召喚。「レース終了直前に準備をすることは珍しいことではない」としながらも「何も起こらなかったのは幸いだった」と反省し、ただちに「このような事態が二度と起こらないようにするための手順を作成」したと発表した。
スチュワードが発表した「ドキュメント59」には以下のように書かれている。
■スチュワードがFIA代表者を召喚・事情聴取した書面の全内容
ドキュメント59
スチュワードから全オフィシャル、全チームへ
2023/04/30 18:45
スチュワードは、FIAスポーツ代表およびレースディレクターから報告を受け、ビデオ証拠を調査し、FIAの代表者を召喚して聴取した結果、以下の事項を検討し、以下のように決定した。
【事実】
2023年アゼルバイジャンGPの最終ラップで、ピットレーンがオープン中に人々がファストレーンを塞いでいた(国際スポーツ規約第12.2.1.h条、第12.3.1条)
【合理的な決定】
スチュワードはFIAの代表者から話を聞き、関連する代表者がパルクフェルメエリアの設置に踏み切ったこと、レース最終ラップのピットレーンがオープン中およびエステバン・オコン(アルピーヌ)の最終ピットストップ前に、ピットレーンのスタート地点およびピットウォールにメディアおよびその他の関係者が集まることを許可したと判断した。
レース終了直前、パルクフェルメやポディウムセレモニーの準備のため、代表者がそのような人たちをピットレーンに入れることは珍しいことではないと我々は記した。
しかし、今回は最終ラップにピットインしなければならないドライバーが1人いて、この時間にピットレーンにいた人たちにとって、非常に危険な状況を作り出してしまった。今日起こったことに対して、重大な問題が発生しなかったことは幸運だったと考えている。
私たちは、安全で秩序あるイベントを確保するという要件が最も重要であることを強調した。このことは、FIAのチームも認識している。
FIAの担当者と一緒に、関連する手続きや手順を詳細に説明した。そして、これらの手続きを再考するための早急な措置を取ることを要求した。そして関係者(FOM、チーム、FIAを含む)との間で、このような事態が二度と起こらないようにするための手順を作成した。
FIAの代表者は、今回の事態に遺憾の意を表明し、次のイベントまでにそうすることを確約した。
スチュワードより