25日(火)にスイスのジュネーブで開催されたF1委員会において、F1 最高責任者であるステファノ・ドメニカリが提案した“スプリント”の修正案が全F1チームの賛成により確定した。
その新方式はさっそく今週末にバクーで開催される2023年F1第4戦アゼルバイジャンGP(30日決勝)から導入されることになる。
今年はアゼルバイジャンを皮切りに6グランプリでスプリントが実施されることになっているが、昨年までとは大きく異なるやり方で実施されることになる。
■新たな予選“スプリントシュートアウト”がお目見え
これまでは、スプリント実施グランプリでは金曜の午後に予選が行われ、その結果で土曜日の午後に行われるスプリントのスタート順が決められていた。
だが、今後は金曜日の午後に行われる予選は日曜日の決勝のグリッドを決めるためのものとなり、スプリントに関しては土曜日の午前中に「スプリントシュートアウト(sprint shootout)」と呼ばれる“スプリント用の予選”が行われて、午後のスプリントのスタート順が決まることになる。
そして、スプリントの結果がどうであれ、日曜日の決勝レースは金曜日に行われた最初の予選順位のままでスタートすることになる。
■“スプリントシュートアウト”の基本ルールは?
2つめの予選として今週の土曜日(29日)に初めて行われることになるスプリントシュートアウトは、基本的なやり方は決勝の予選と同じだが、Q1は12分(通常18分)、Q2は10分(通常15分)、Q3は8分(通常12分)と、それぞれ短時間で行われることになる。
さらに、Q1とQ2ではそれぞれ未使用のミディアムタイヤ、Q3では未使用のソフトタイヤの使用が義務づけられることになる。
▼土曜日午前中
【スプリントシュートアウト(SQ)】
SQ1:12分 20台(新品ミディアムタイヤ)
SQ2:10分 15台(新品ミディアムタイヤ)
SQ3:8分 10台(新品ソフトタイヤ)
▼土曜日午後
【スプリント(総距離100km、約30分のレース)】
午前中のスプリントシュートアウトの順位でスタート。
■ペナルティーは?
また、仮に金曜日のフリー走行と予選でドライバーに何らかのペナルティーが科されることになった場合、それが適用されるのは日曜日に行われる決勝となる。
そして、スプリントシュートアウトで何らかのペナルティーが発生した場合、それが適用されるのはスプリントとなり、決勝には影響しない。
だが、スプリントで発生したペナルティーは、日曜日の決勝でそれが適用されることになる。
■併せて主要PUコンポーネントの年間許容数もプラス1に
なお、今回のF1委員会において、2023年に関してはPU(パワーユニット)と呼ばれるF1エンジンの主要コンポーネントであるICU(内燃機関)、ターボチャージャー、MGU-H(熱エネルギー回生システム)、MGU-K(運動エネルギー回生システム)の年間許容基数が、それぞれ3基から4基に増やされることも決定している。