来週末にバクーで開催される今季のF1第4戦アゼルバイジャンGP(30日決勝)で、修正が施されたスプリントレース・フォーマットが導入されることになりそうだ。
■アゼルバイジャンGPで新ルールによるスプリントレース開催か
全23戦で争われる2023年のF1選手権だが、そのうち6レースで“スプリント”が実施されることになっている。そして、来週末のバクーでは今季初のスプリントが開催されるわけだが、昨年までとは異なるルールで実施される可能性がかなり高くなってきている。
F1最高責任者のステファノ・ドメニカリは、フリー走行セッションを減らし、土曜日に行われるスプリントレースと日曜日に行われるメインレースに向けて別々の予選セッションを行うことで、より見所の多いレース週末にしたいと考えている。
これまでの報道によれば、金曜日の午前中にフリー走行が行われ、午後には日曜日の決勝のための予選が行われる。そして、土曜日の午前中にはその日の午後に行われるスプリントレースのための予選が行われることになるようだ。
■F1チームも新フォーマット導入に前向き
伝えられるところによれば、F1チームたちはすでにこの新フォーマットを導入することに賛成しているという。
アストンマーティンのスポーティングディレクターを務めるアンディ・スティーブンソンは次のように語っている。
「我々はもうすぐフォーマットを最終決定できるところにきている」
「FIA(F1統括団体の国際自動車連盟)と緊密に協力しながら、エンジニアや戦略担当者たちと慎重に検討し、実行可能なものであるかどうかを確認してきた」
「我々全員が新しいフォーマットを支持している。だが、レギュレーションが意図したとおりに機能することを確認する必要がある」
スティーブンソンによれば、F1チームが今回の案を支持している理由は、スプリントの結果によって日曜日に行われる決勝レースのグリッド順が決まるわけではないため、ドライバーがスプリントレースにおいても「よりハードにプッシュし、よりリスクを取る」ことができるようになるためだという。
「ものすごくワクワクする週末になるだろうね」とスティーブンソンは付け加えている。
■バクーでの新スプリントレース導入には疑問の声も
だが、その新フォーマットを来週末のバクーで導入することに関しては、必ずしも全員が賛成しているわけではないようだ。
例えば、F1公式タイヤサプライヤーであるピレリは、ロジスティックス上の懸念があるとしている。ピレリはすでにバクー用に割り当てたタイヤを少し前に発送しており、新フォーマットに合わせてタイヤ割り当てを見直すことは難しくなるかもしれない。
また、アゼルバイジャンのバクー市街地サーキットで早速新たなスプリントレースを導入することに疑問を抱いている者もいる。
そのひとりはレッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーだ。
「現実的には、アゼルバイジャンのような市街地レースで、その年の最初のスプリントレースを行うのはまったくばかげているよ」
「しかし、見応えという視点、ファンの視点から見れば、おそらく今年のスプリントレースの中で最もエキサイティングなスプリントレースのひとつになると思う」
そう語ったホーナーは、次のように付け加えている。
「コストの差という観点からすれば、我々にできることはマシンをゴミにすることだけだし、あそこでは大金がかかる。バクーでは1レースで十分なんだ。だから、2レースにすれば、何かが起きる可能性が高いよ」