「ノーサイドポッド」と呼ばれる独特なコンセプトを持つメルセデスF1マシンだが、そのユニークなマシンがサーキットを走行するのが見られるのは次戦F1アゼルバイジャンGP(第4戦/30日決勝)と、その1週間後に行われる第5戦マイアミGP(5月7日決勝)だけとなるかもしれない。
■イモラで新コンセプトマシンがお目見えか
今年も現F1チャンピオンチームであるレッドブルに大きく水をあけられるとともに、昨年はコンストラクターズランキング7位に沈んでいたアストンマーティンにも先行を許しているメルセデスだが、チーム代表のトト・ヴォルフによれば、第6戦エミリア・ロマーニャGP(5月21日決勝)が開催されるイモラ・サーキットで新しいコンセプトによる改良版マシンが投入されることになるようだ。
イモラでデビューする新たなメルセデスF1マシンの実力は未知数だが、ヴォルフは、新しいコンセプトの効果を確認するまではまだ今季のF1タイトル獲得をあきらめるつもりはないとしている。
「まだ目標を変えようとは思わないよ」
イタリア版『Motorsport.com』にそう語ったヴォルフは、次のように続けている。
「私は、我々はF1タイトルを争うためにここにいるのだと常に思いたいんだ。たとえそれが現実的ではないように思えてもね」
「まだ始まったばかりだし、チームのモチベーションを維持し、可能な限り最高の仕事ができるようにしたいと思っている」
「多くの革新的開発が計画されているよ。イモラではマシンのレイアウトが変わるし、このステップがどういう結果をもたらすのかがわかるだろう」
■ハミルトンが現マシンのレイアウトに不満?
伝えられるところによれば、今季ここまでに行われた3戦の予選ですべてチームメートのジョージ・ラッセルに後れをとってしまったルイス・ハミルトンは、メルセデス2023年型F1マシンのコックピットが前方に位置し過ぎていることに不満を抱いているという。
ヴォルフが言及したマシンの“レイアウト変更”とは、その部分の修正だと考えられているようだ。
第3戦オーストラリアGPではメルセデスの2台が予選で2番手、3番手に入り、決勝でもスタートでその2台がポールシッターのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)をとらえて前に出るなど、パフォーマンスが改善されてきているのも確かだ。
そのメルセデスが次のアゼルバイジャンGPとマイアミGPをどう乗り切り、エミリア・ロマーニャGPでの新コンセプト投入につなげていくのかにも注目したいところだ。