アルファタウリのチーム代表を務めるフランツ・トストが、世界的エナジー飲料メーカーである『レッドブル』が所有する2つ目のF1チームは現在変化しつつあるところだと語った。
■パフォーマンス不足に苦しむアルファタウリ
レッドブル・レーシングの姉妹チームとしても知られるイタリアのファエンツァに本拠を構えるアルファタウリだが、近年はパフォーマンスが低下傾向にある。
2021年はコンストラクターズランキング6位だったものの、新たなF1技術レギュレーションが導入された2022年は9位に沈んでしまっている。そして、2023年も現時点ではまだ1ポイントしか獲得できておらず、ランキングも同じ9番手にとどまっている。
■一時はチーム売却の噂も
『レッドブル』の最高権威であったディートリッヒ・マテシッツが昨年の10月に亡くなったことで、新たにオリバー・ミンツラフがスポーツプログラム担当CEOに就任し、F1プロジェクトなども統括するようになっているが、少し前には、成績が芳しくなく、財政的にも厳しい状況にあるアルファタウリを売却することを検討しているようだとの噂もささやかれるようになっていた。
その後、トスト自身がミンツラフと話をし、アルファタウリ売却はないことを確認したという内容の声明を出し、そうした噂を否定している。
■アルファタウリの組織改編に着手したトスト
だが、トストはこのほど、アルファタウリに変化が起き始めているのも確かだと、ドイツのテレビ局『Sport1(シュポルト1)』に次のように語った。
「我々は今、ジレンマから抜け出す方法を見つけなければならない。だが、我々は正しい道を歩んでいるよ」
「これには、イギリスにあるレッドブルの風洞をうまく活用することも含まれるんだ。私が先週ミルトンキーンズ(レッドブルのファクトリー)にいたのはそのためだ」
オーストリア出身の67歳のトストは、今季のF1第2戦サウジアラビアGPの舞台となったジェッダ・コーニシュ・サーキットで行われた金曜日の記者会見において、もはやチームのエンジニアたちを「信頼」していないと語り、波紋を呼んでいた。
そして、トストはこのほど、実際にチーム内の組織改編が進んでいることを明らかにし、次のように述べている。
「そう、空力部門は再編成されたよ」
「何人かの従業員たちと別れ、今は新しい人たちによってパフォーマンスが向上することを期待しているところだ。まだ具体的な名前をあげるつもりはないがね」
■レッドブルとのパーツ共有化もさらに拡大
そして、それ以外にも、アルファタウリは今後レッドブル・レーシングやレッドブル・テクノロジーズとの協力関係をさらに強化し、共有パーツも増やしていくことになるようだ。
「ただパーツのコピーをするわけにはいかないよ」
「我々が受け入れられるレッドブルのパーツは、公式に許可されたものだけなんだ」
レギュレーション上の制限に言及しながらそう語ったトストは、次のように付け加えている。
「しかし、パフォーマンスに関係するパーツは自分たちで開発しなければならない。FIA(F1統括団体である国際自動車連盟)はそれをしっかりと見張っているからね」。