レッドブルF1はまだ本当の力を「隠している」とメルセデスのジョージ・ラッセル
今季ここまで圧倒的な力を見せているレッドブルだが、メルセデスのジョージ・ラッセルは、それはまだレッドブルの「本当の力」ではないと考えているようだ。
●【2023年F1チャンピオンシップ・ランキング】第3戦F1オーストラリアGP終了後
■メルセデスがレッドブルとの差を縮めた？
先週末にメルボルンのアルバートパーク・サーキットで行われた2023年F1第3戦オーストラリアGPでは、メルセデスがレッドブルとの差を縮めてきたように見えた。
予選では、現F1チャンピオンであるレッドブルのマックス・フェルスタッペンが余裕でポールポジションを獲得してみせたが、2番手、3番手に続いたのはラッセルとルイス・ハミルトンのメルセデス勢だった。
レッドブルのセルジオ・ペレスが予選をノータイムで終えていたとは言え、メルセデス勢がフェラーリやアストンマーティンよりも上位で予選を終えると予想していた者はほとんどいなかったのではないだろうか。
そして、決勝でも2番グリッドと3番グリッドについたメルセデス勢が、スタート直後にフェルスタッペンを攻略して前に出る展開となっていた。
その後、トップを走行していたラッセルは自分がタイヤ交換を行った直後にアレクサンダー・アルボン（ウィリアムズ）のクラッシュによって赤旗中断となったことから順位を下げ、これによってトップに立ったハミルトンも12周目にフェルスタッペンにオーバーテイクを許してしまった。
だが、メルセデスがいよいよレッドブルとの差を縮め始めてきたのは確かだと考えている者も多いようだ。
■「幻想を抱くべきではない」とトト・ヴォルフ
しかし、メルセデスのチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、ハミルトンがそのレースをフェルスタッペンに次ぐ2位で終えた後、次のように語った。
「幻想を抱くべきではないよ」
「レッドブルはまだ飛び抜けているよ」
■レッドブルは「本当の力を示すのをためらっている」とラッセル
実際のところ、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーも、開幕戦バーレーンGPや第2戦サウジアラビアGPと比べれば、オーストラリアでは差が「明らかに少し詰まってきていた」と認めている。
しかし、最終的にはエンジントラブルでオーストラリアGP決勝をリタイアしてしまったラッセルは、先週末のレッドブルは慎重にペースをコントロールしていたのだと考えている。
「間違いなく、彼らは隠しているよ」
「僕は、彼らは自分たちの能力を全て示すのをためらっているのだと思う。なぜなら、彼らが速く見えれば見えるほど、このスポーツは何らかの形で彼らを抑え込もうとするからね」
『BBC』のポッドキャストにそう語った25歳のラッセルは、2023年のレッドブルはほかのどのF1マシンよりも「おそらくコンマ7秒」上回っていると思うと続け、次のように付け加えている。
「マックスにもレッドブルにも、無理をする理由はないんだ」。
