かつてフェラーリで活躍し、ミハエル・シューマッハのチームメートも務めたブラジル出身元F1ドライバーのフェリペ・マッサによれば、現在のF1ドライバーの中でレッドブルのマックス・フェルスタッペンとほぼ同じレベルにあるのはフェラーリのシャルル・ルクレールだけだという。
■ハミルトンの8回目のタイトル獲得は無理
2006年から2013年まで8年間にわたってフェラーリで戦った経験を持つマッサは、7度F1チャンピオンに輝いた実績を持つルイス・ハミルトン(メルセデス)はもうすでに全盛期を過ぎてしまっていると考えている。
「彼が8回目のタイトルを獲得できるとは思わないね。少なくとも、今年のクルマでは無理だよ」
ドイツの『Bild(ビルト)』紙にそう語った41歳のマッサは次のように付け加えた。
「彼は自分が望むようにうまく運転できるけれど、彼のマシンはあまりにも遅すぎるんだ」
■ルクレールの実力はフェルスタッペンやハミルトン並み
今季レッドブルとの戦いに苦戦しているのはメルセデスだけでなくフェラーリも同じだ。フェラーリの2023年型マシンは予選では速いものの、レースではタイヤの摩耗が激しく、レッドブルについていくことができていないためだ。
しかし、マッサは25歳のモナコ人ドライバーであるルクレールのことは高く評価している。
「マックスやルイスと同じように、シャルルは並外れたドライバーだよ」
「彼は現在、レッドブルにとって最大のタイトル挑戦者だよ」
■注目株はジョージ・ラッセル
そう語ったマッサは、近い将来タイトル争いに加わってくるのは、セルジオ・ペレス(レッドブル)でもカルロス・サインツ(フェラーリ)でもなく、ジョージ・ラッセル(メルセデス)だと次のように続けている。
「レッドブルのセカンドドライバーであるセルジオ・ペレスは一貫性がなさすぎるんだ。フェラーリのカルロス・サインツと同じようにね」
「でも、ジョージ・ラッセルはこの先何年もタイトル争いに加わる可能性があるよ」
■ハミルトンより速いラッセルはすでにトップドライバー
実際のところ、今年の2月に25歳となったイギリス人ドライバーのラッセルは、ウィリアムズからメルセデスに移籍した2022年には同じイギリス出身の先輩ドライバーであるハミルトンを上回る成績を残している。そして、今シーズンもここまでの2レースではいずれも予選でハミルトンに勝っており、ペース的にはハミルトンを上回っているように見える。
「彼はうまくやるだろうと僕は思っている」
「昨年、メルセデスでの最初のシーズンで彼がランキングでルイスを上回ったことを忘れてはいけない。素晴らしい業績だよ」
ラッセルについてそう語ったF1キャリア通算11勝の記録を持つマッサは、次のように付け加えた。
「それ以前のルイスのキャリアにおいては、2016年にニコ・ロズベルグが似たようなことをやっただけだ。ジョージはトップドライバーだよ」。