メルセデスがついに「ノー・サイドポッド」と呼ばれるユニークなマシンコンセプトを諦め、今後レッドブル式コンセプトを導入したF1マシンに切り替えることを決断した。
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■マシンコンセプト変更を認めるトト・ヴォルフ
チーム代表のトト・ヴォルフは、メルセデスが2023年シーズンにわずか2レースを戦っただけでこの決断をしたことを正直に話すことは、恥でもなんでもないと主張している。
「我々はこの10年間ずっとそうしてきた。勝とうが負けようがね」
「我々のサポーターたちは真実を知りたいと思っているんだ。我々には隠すことなど何もないよ。あまりいいニュースではないが、我々はコミュニケーションを取り続けなければならないんだ」
■改良型メルセデスはレッドブルに似たものに
そして、「透明性」が大事だと言うヴォルフは、メルセデスの改良マシンがレッドブルやアストンマーティンに似たものとなるであろうことを隠そうとはしていない。
「それをレッドブルやアストンマーティンのコンセプトだと呼んでもかまわないよ。たとえそれが2階建てバスのように見えるとしても、速くするために我々はそれを進めることになる」
そう語った51歳のオーストリア人であるヴォルフは、微笑みを浮かべながら次のように付け加えた。
「もし彼らが望むのであれば、レッドブルのステッカーだって貼るよ」
■改良版メルセデス登場はいつ?
しかし、そのレッドブルによく似たメルセデスF1マシンが実際にいつ投入されることになるのかは正確にはわからないと認めたヴォルフは、次のように付け加えている。
「レッドブルに挑戦できるようになるには長いプロセスになるだろう。だが、それは復活に向けた本当に楽しいプロセスだよ」
ヴォルフはすでに2023年のタイトル争いは諦め、2024年型マシンの開発にシフトすることを示唆したとも報じられている。
また、厳しいバジェットキャップ(チーム予算上限)により、2023年型マシンを基本から造り直すことはかなり困難だと考えられている。
こうしたことからすれば、メルセデスが今季中にレッドブルに似たマシンを登場させることがあったとしても、それは2024年に向けたプロトタイプ的なものとなる可能性もありそうだ。