元F1ドライバーであり、アンドレッティ・オートスポーツを率いてアメリカを中心にレース活動を行っているマイケル・アンドレッティが、アルファタウリを買収してF1に参戦する可能性はないと認めた。
■難航するアンドレッティのF1参戦計画
F1新規参戦を目指しており、2022年にはスイスに本部を置くザウバー(アルファロメオ)の買収に動いたアンドレッティだったが、その交渉が決裂したことで、現在はGM(ゼネラル・モーターズ)傘下のキャデラックと手を組んでアンドレッティ・キャデラックとしてF1参入を目指している。
しかし、F1チーム数が増えることで自分たちが受け取る分配金が減ることを懸念する既存チームたちは、F1新規参戦費として納付する額を現在の2億ドル(約270億円)から6億ドル(約814億円)に引き上げることを検討しており、伝えられるところによれば、F1委員会においてそれが満場一致で可決されたようだという。
■アンドレッティ・キャデラックにアルファタウリ買収の噂
そうした中、最近の噂では、実際に支払うことになる金額はそれよりも少し高くなると見られているが、アンドレッティ・キャデラックが世界的エナジー飲料メーカーであるレッドブルが所有する2つめのF1チームであるアルファタウリを買収することでF1参戦の道を整える可能性もあると考えられていた。
イタリアのファエンツァに本拠を構えるアルファタウリだが、2021年はコンストラクターズ選手権6位だったものの、2022年には9位に陥落してしまった。そして、それを不満に思うレッドブルがアルファタウリを売却するのではないかとの噂がささやかれるようになっていたためだ。
■アルファタウリとレッドブル陣営が売却の噂を否定
だが、アルファタウリのチーム代表を務めるフランツ・トストが1日(水)に公式声明を出して、この噂を完全否定。
さらに、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーも、その噂は単なる「憶測」によるものだと次のように語っている。
「そのようなことは最終的には株主が決めることであり、彼らのコミットメントは常に絶対的なものだよ」
「私の知る限りでは、何も変更は計画されていないよ」
■アルファタウリ買収はないと認めたアンドレッティ
先週末には、インディカーの2023年開幕戦もアメリカのフロリダ州にあるセント・ピーターズバーグで開催されている。
そして、そのセント・ピーターズバーグにおいて、『AP通信』のジャーナリストであるジェナ・フライヤーから実際にアルファタウリは売りに出されているのかと質問された60歳のアンドレッティは、「ノー」と答えている。
それは間違いないのかとフライヤーから念を押されたアンドレッティは、「確かだ」と付け加えた。