2022年のF2チャンピオンであるブラジル人ドライバーのフェリペ・ドルゴビッチに早速F1レースデビューのチャンスが訪れるかもしれない。
■ストロールのけがはかなり深刻?
アストンマーティンのランス・ストロールがスペインで自転車を使ったトレーニング中に事故に遭い、今週バーレーンで行われる公式プレシーズンテストを欠場することが明らかになっている。
アストンマーティンでは、昨年ジュニアドライバー契約を結び、今年はリザーブドライバーを務めることになっているドルゴビッチをストロールの代役として23日(木)から3日間にわたって行われるプレシーズンテストに起用することを発表。
初日の23日にはドルゴビッチが午前中のセッションを、午後のセッションは今年アルピーヌから移籍してきた2005年と2006年のF1チャンピオンであるフェルナンド・アロンソが担当している。
現時点で、ストロールのけがの状況についてはまだ詳細が伝えられていないが、手首を骨折したようだとの情報もあり、来週末に行われる今季のF1開幕戦バーレーンGP(3月5日決勝)への出走も難しいのではないかと考えられている。
■ドルゴビッチが出走することになっても「驚かない」とバンドーン
ストロールが開幕戦に出走できない場合には、リザーブドライバーのストフェル・バンドーンもしくはドルゴビッチがその代役を務めることになると考えられる。
だが、かつてマクラーレンでF1を走った経験を持つベルギー出身ドライバーのバンドーンは、今週末にケープタウンで行われるフォーミュラEに出走するため、バーレーンでのプレシーズンテストに参加することはできない。このため、今週のテストはドルゴビッチが担当することになった。
「僕たちは状況について話し合ったけれど、僕は残念ながらバーレーンでのテストを行うことはできない。それは僕もチームもわかっていたことだよ」
だが、30歳のバンドーンも、F1開幕戦が行われる来週末にはバーレーンに行くことになっている。
「僕にとってはかなり難しいシナリオだよ」
そう語ったバンドーンは、次のように続けた。
「もしランスが出走できない場合、フェリペがレースに出ることになっても僕は驚かない」
「それは、僕にとっては少しばかり悔しいことさ。だけど、その一方で僕はそれを理解できる。彼はすべてのテストをこなせるだろうからね。彼には最高の準備ができるはずだよ」
現時点では、まだアストンマーティンが開幕戦にどういうドライバーラインアップで臨むことになるのかははっきりしていない。だが、ドルゴビッチにいきなりF1デビューのチャンスが訪れる可能性はかなり高そうだ。
■今季は古巣マクラーレンのリザーブも務めるバンドーン
一方、アストンマーティンの今季の正規リザーブドライバーであるバンドーンとドルゴビッチは、マクラーレンのリザーブも兼務することが両チームの合意によって決まっている。
場合によっては、バンドーンが古巣マクラーレンからレースに出走する可能性もあるわけだが、そのことについて質問されたバンドーンは次のように答えている。
「それは全く新しいことでも、これまでとは違うということでもないんだ」
「アストンマーティンとマクラーレンの間にはパートナーシップがあるんだ。だけど、仕事という点に関しては、彼らのために特に何か違うことをするつもりはないよ」
「僕が参加するレースでは、彼らが僕を必要とする場合に備えることになる。僕は開幕戦が行われるバーレーンに行くし、その後、ジェッダ(第2戦サウジアラビアGP/3月19日決勝)とメルボルン(第3戦オーストラリアGP/4月2日決勝)にも行くことになる」
そう語ったバンドーンは、次のように付け加えた。
「それに、僕にはWEC(世界耐久選手権)でプジョーのリザーブという役割もあるんだ。レースをする機会があることを望んでいるし、ル・マンでもまたスタート地点に立ちたいと思っているよ」。