“事情さえ許せば”、2023年にはニック・デ・フリースではなく、ミック・シューマッハがアルファタウリで角田裕毅のチームメートを務めていたかもしれない。
23歳のシューマッハは2022年シーズン限りでハースのシートを失い、2023年にはメルセデスの公式リザーブドライバーを務めることになっている。
■シューマッハ獲得を望んでいたフランツ・トスト
しかし、このほどアルファタウリのチーム代表を務めるフランツ・トストが、本当はアルピーヌへ移籍したピエール・ガスリーの後任としてシューマッハを起用したいと考えていたことを認めた。
「私個人として彼のことを検討していたよ」
ドイツの放送局『n-tv』にそう語ったオーストリア出身のトストは、次のように付け加えた。
「実際のところ、私はミックをマシンに乗せたかったんだ。ミックにはF1で成功するのに十分な才能があると私は確信しているよ」
■当時の課題はシューマッハがフェラーリの契約下にあったこと
アルファタウリはどうしてシューマッハと契約しなかったのかと質問されたトストは、「ほかの事情」と「政治的理由」によるものだとしている。
どうやら、レッドブルのセカンドチームであるアルファタウリにとって、シューマッハが当時フェラーリとの契約下にあったことが最大のネックだったようだ。実際、レッドブル・レーシングとアルファタウリのドライバープログラム責任者であるヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、昨年シューマッハを起用する可能性について質問された際には完全否定していた。
「だから、契約に至ることはなかった」
そう語ったトストは、次のように付け加えている。
「だが、個人的には私は彼のことをとても重視しているよ」
■メルセデスのリザーブはシューマッハにとってのチャンスに
なお、シューマッハはメルセデスと契約したことで、フェラーリとの関係にも今では完全に終止符が打たれている。
しかしながら、トストは、通算7回F1王座に就いた伝説的ドライバーであるミハエル・シューマッハの息子ミックにとって、かつて父親が所属していたメルセデスとの関係ができたことは、今後に向けてのいいチャンスでもあると考えている。
「(メルセデスは)非常にいいチームだし、最高のF1チームのひとつだ」
「だから、もちろん、彼は多くのことを学ぶことができるし、何度か実際にマシンでコースに出る機会があるといいね」
1月20日(金)に67回目の誕生日を迎えたばかりのトストはそう語ると、次のように付け加えた。
「そうすれば、彼はもっと自信を持てるし、技術的な理解も深まるだろう。そして、どこかの時点で彼がグリッドに戻ってこられることを期待しているよ」。