F1では、2023年シーズンに向けて、DRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)の効果を低減させることを検討しているようだ。
昨年、これまでとは大きく異なる新たなF1技術ルールが導入されたが、その目的はレースの質とオーバーテイクのチャンスを向上させることだった。
そして、実際のところ、2022年のF1はこれまでよりもバトルやオーバーテイクが増えていた。
だが、その一方でDRSがあるために、オーバーテイクが簡単になりすぎていると考えている者も多いようだ。
■オーバーテイクが簡単なものであってはならない
FIA(F1統括団体の国際自動車連盟)の技術責任者であるニコラス・トンバジスは『motorsport-total.com』に次のように語っている。
「場所によってはDRSゾーンを減らさなければならないかもしれない」
「我々は、必ずオーバーテイクができる、あるいは簡単にそうできることを望んでいるわけではない。まだ難しいものである必要があるんだ。我々はそこに正しいバランスを見つけなければならない」
■オーバーテイクを狙える位置に近づくためだけにDRSを使うのが理想的
2022年シーズンを最後にF1モータースポーツ担当マネジングディレクターの職を辞するロス・ブラウンも同意見だ。
「我々は、ドライバーがただDRSを開放するだけで、追い抜きができ、そして差を広げることができるのをファンが好まないことを知っている」
「理想的には、攻撃を仕掛けるために誰かに十分に近づくためにのみDRSは使われるべきだと私は思っている」
そう語った68歳のブラウンは、次のように付け加えた。
「モンツァのようなところでDRSを減らすことを恐れるべきではないと思う。なぜなら、誰かの後ろについたら、ボタンを押して追い抜くようなものだからね」
■2023年にはDRSゾーンの削減もしくは短縮も?
伝えられるところによれば、現在ひとつのサーキットに1か所から3か所ほど設けられているDRSゾーンの数を減らすことや、いくつかのサーキットではDRSを使用できるゾーンをこれまでよりも短くすることなどが検討されているようだ。