レッドブルF1陣営、2022年は「6チーム」が予算上限超えと予測。来季は風洞時間減少も「スタッフの資質がものを言う」と自信
レッドブルF1のヘルムート・マルコ博士が、バジェットキャップ騒動は沸騰寸前かもしれないと警告している。
F1ブラジルGPの数日前、『Sky Sports（スカイスポーツ）』のF1プロデューサーであるビリー・マッギンティがレッドブルF1のイギリス工場を訪れ、予算上限に関する偏った報道が原因で緊張関係となっていた件について修復しようとしたことが明らかにされた。
2021年の予算超過に対してレッドブルが約10億円（700万ドル）の罰金と風洞使用時間減少のペナルティを受けたことについて、リバティ・メディア傘下のF1関係者もこの話し合いに参加したと考えられている。
■2022年は6チームが上限オーバーと予測
マルコは、この予算上限に関する騒動はまだ序盤に過ぎないと考えている。
2022年の予算上限を巡って同様の話が勃発すると思うかという質問に対して、マルコは『Auto Motor und Sport（アウト・モートア・ウント・シュポルト）』にこう答えている。
「現状では6チームがオーバーしていると思う。インフレは、特にエネルギーコストに関しては、そこまで計算できないものだった」
レッドブルF1のクリスチャン・ホーナー代表もマルコも、今回はレッドブルが予算上限を下回る4チームのひとつになると主張している。
「エネルギー価格は指数関数的に上昇しているが、ありがたいことに我々はそこから守られている」とホーナーは最近語っている。
「F1コミッションの会議で発言したチームの多くが、今年は上限を破る可能性があるだろうね」
当然のことながら、マルコは予算の上限設定やその効果があったのかどうか複雑な思いを持っている。
「今のところ、予算枠は何も変わっていない。ただ、他より優れたものを開発しなければならないだけだ」
「もちろん、風洞の時間が少なくなることは、コンストラクターズチャンピオンシップを獲得した我々にとっては痛いことだ。でも、結局はスタッフの資質がものを言うんだよ」
「初年度はルールが曖昧で、明確化するのに対応が遅れた。アーンスト・アンド・ヤング（ロンドンに本拠地を置く世界各国で会計、税務、コンサルティングなどのサービス企業）にすべてをチェックしてもらい、300万ドル（4億3,900万円）のセーフティネットがあると考えた。しかし、最終的には40万ドル（約4,000万円）しかなかったんだ」
「そのお金で、ハミルトンにはフロントウイングを、ハースにはまったく新しいクルマを作るよ」とマルコは笑った。
