2022年F1第20戦メキシコ・シティGPが開幕し、フリー走行2回目(FP2)が気温26度、路面温度40度、風速2.5m/s、湿度35%、天候は晴れというドライコンディションで行われた。
●【2022F1第20戦メキシコGP】フリー走行2回目のタイム差、周回数
■来季用タイヤテスト実施。ピレリ「鈴鹿でテストしたかった」
日本時間6時から始まったFP2では、ピレリの来季用タイヤテストが実施されたため、通常より30分延びて90分間の走行となった。
本来は日本GPでタイヤテストを実施する予定だったが、雨でテストがキャンセルになったため、このメキシコGPのFP2でタイヤテストが行われることになった。ピレリのマリオ・イゾラ(モータースポーツ・ディレクター)は「より代表的な高エネルギートラックである鈴鹿でテストしたかった」と語っている。
また、FP1に出なかった5名のレギュラードライバー(角田裕毅、ラッセル、オコン、マグヌッセン、アルボン)については、序盤45分間はセットアップのために自由な走行が許可されている。ただし、タイヤテストが優先されるため、序盤走ることができない場合は45分間をフル活用できなくなる。
他の15台は真っ黒なタイヤを装着しているが、チームは支給されたタイヤがソフト寄りなのかハード寄りなのかコンパウンドも伝えられていない。また、エンジンも含めセッティング変更はできず、ピレリに指示された通りに一定のセットアップで走る、タイヤ評価だけを目的としたセッションだ。
ピレリとしては、開発の優先順位が高いアンダーステアを減らす施策をしており、それがうまく機能するか正しいデータを取って、来シーズンでのタイヤの評価を向上させ、レース展開を面白くしたい。
■アルボンとマグヌッセン、出られず
セッション開始20分を過ぎても、FP1をルーキー枠のサージェントにシートを譲っていたアレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)がまだガレージから出てこない。ウィリアムズからもアナウンスはない。序盤45分間は今年のタイヤでセットアップのために走行が許可されているが大きなロスだ。
FP1でピエトロ・フィッティパルディがドライブしていたマシンが、FP1の残り23分頃にMGU-Hと思われる問題が発生しコース上でストップし、ハースはその後からずっとガレージで作業を続けていたが、FP2開始から30分過ぎ、ケビン・マグヌッセンをようやくコースインさせることができた。残り15分でセットアップを決めたい。
■ルクレール、クラッシュで赤旗
しかしその後、シャルル・ルクレール(フェラーリ)がターン7と8間で大きなクラッシュをして赤旗が出された。S字の進入で突然バランスを崩したルクレールは、ハイスピードのままリアからバリアにクラッシュ、タイヤのリアサスペンションは折れ、リアウイングは外れたものの、ルクレールは無事でそのままマシンを降りた。
特にマシンにトラブルがあったのではなく、走行ラインを外して埃っぽいところを走ったため、バランスを崩して滑ってしまったようだ。
バリアの修復に時間がかかったため、セッション開始から52分経過した時点でセッションは再開した。すでに序盤45分は過ぎているので、セットアップなどを進めていた5名のドライバーもプロトタイプのタイヤテストに移行しなければならない。
■2回の赤旗でセッション終了
残り10分となったところで、エステバン・オコン(アルピーヌ)は「スロットルをパーシャル(一定)にした時に奇妙な音がする」と無線で報告した。しかしピットウォールは「データに問題はない」と伝えるが、ドライバーとしては気になるだろう。
残り3分、ジョウ・グァンユ(アルファロメオ)がスタジアムでストップ。今日2回目のストップで、「油圧トラブル」とドライバーから報告があった。残り時間が短いため、セッションはここで終了となった。
今日の結果は勢力図が見えない結果となったため、明日のフリー走行3回目が重要になる。
■トップ3は角田裕毅を含む今季タイヤを履いた3名
トップタイムはジョージ・ラッセル(メルセデス)、2番手は角田裕毅(アルファタウリ)、3番手はエステバン・オコン(アルピーヌ)だった。この3名はFP1をルーキーに譲って走っていないため、2022年タイヤでセットアップなどに取り組んだ際に出したタイムだ。
同じくFP1を走行しなかったのはアレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)とケビン・マグヌッセン(ハース)だ。アルボンは今季タイヤで3周のみ、マグヌッセンは今季タイヤで走行できなかった。どちらも序盤はガレージで作業をしていたため、45分間の今季タイヤでの走行時間を失ってしまった。
2年連続でF1ワールドチャンピオンを獲得したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は6番手、母国凱旋で大声援を受けながら走ったセルジオ・ペレス(レッドブル)は5番手。
レッドブルと同じくHRC(ホンダ・レーシング)サポートのパワーユニットを搭載しているアルファタウリF1は、ピエール・ガスリーが10番手だった。