2023年にはエステバン・オコンとピエール・ガスリー(現アルファタウリ)の2人のフランス人ドライバーを擁することになるアルピーヌだが、チームCEOのローラン・ロッシはこの2人を公平に処遇していくことになると主張している。
伝えられるところによると、ルノーのワークスF1チームであるアルピーヌは、レッドブルのセカンドチームであるアルファタウリと2023年までの契約を結んでいたガスリーを獲得するためにレッドブルに数百万ドルを支払い、さらに26歳のガスリーとは年俸1000万ユーロ(現在のレートで約15億円)の契約にサインしたものと考えられている。
昨年、アルピーヌと2024年までの契約を結んだオコンの年俸は500万ドル(現在のレートで約7億5000万円)だと伝えられており、少なくとも年俸においてはガスリーがアルピーヌのナンバー1ドライバーだということになりそうだ。
■チーム内に序列はないとアルピーヌCEO
しかし、2021年シーズンからCEOとしてアルピーヌを率いているロッシは、フランスのラジオ局『RMC』に対してチーム内に「序列は存在しない」と主張し、次のように付け加えた。
「現在、アロンソとオコンにも何もない。今後も、ガスリーとオコンの間に血統の違いはなく、彼らは同じだ」
■ガスリーとオコンも大人であることを示すはず
だが、同じフランス出身ながら、ガスリーとオコンが不仲であることはよく知られており、この2人のドライバーの関係がチーム内にネガティブな影響を及ぼす可能性を懸念する声もある。
しかし、ロッシはそれについては心配していないという。
「彼らが顔を合わせたとき、我々は彼らが20年来の知り合いであるかのように感じよ」
「私は、彼らがお互いにいいチャンスだと言っていたような印象を受けたよ」
「彼らは今では成熟している。私はそう期待しているよ。彼らは一緒に何か素晴らしいことをしたいと思っているんだ」
「15歳の時ならどんなことでもできる。だが、26歳は真剣になるべき時だ。キャリアは早くから始まっているし、これが彼らにとって最後の大きな契約となる可能性もあるからね」
「26歳になれば、優秀なチャンピオンでない限り、『ブレイクスルーできたか、できかったか』というエリアに到達することになる。私は、彼らがこれまでに学んだことを示してくれるのを期待しているよ」
■最高の候補者として選んだガスリーがフランス人だっただけ
そう述べたロッシは、2020年のイタリアGPでの優勝を含むガスリーの3度の表彰台経験が「我々が進歩し続けるために絶対に必要なもの」であることを認め、次のように続けた。
「我々が彼を選んだのは、彼がすべての条件を満たしているからだ。それに加えて彼はフランス人だから、それはよいことだよ。今や、我々はフランスのF1チームのようなものだ」
「我々は完全なフランス・チームを作ろうとしていたわけではないんだ。なぜなら、まずドライバーのパフォーマンスが重要だからね。チームが進歩するために、獲得できるかどうかにかかわらず、最高のドライバーを選ぼうというのが我々の考えだったんだ」
■ガスリーとオコンのこれまでのF1戦績は?
同じ1996年生まれのガスリーとオコンだが、ここまでのF1キャリアにおいても同じような成績を残している。
※出走レース数:ガスリー(104戦)、オコン(107戦)
※優勝:ガスリー(1回)、オコン(1回)
※表彰台(優勝を除く):ガスリー(2回)、オコン(1回)
※予選最高位:ガスリー(2番手)、オコン(3番手)
※現時点での総獲得ポイント:ガスリー(332ポイント)、オコン(350ポイント)
この2人が同じチームでお互いにうまく協力し合えるのか、あるいはライバル意識が先に立って両者の関係がさらに悪化する方向へと向かうのか、それも2023年シーズンの注目ポイントのひとつになりそうだ。