サウジアラビアでは将来的に2か所のサーキットでF1が開催されることになるかもしれない。
■国内で2つ目のF1開催を視野に入れるサウジアラビア
サウジアラビアでは2021年から紅海に面する都市ジェッダに設けられた市街地コースでF1が開催されている。
だが、元レーシングドライバーであり、現在はスポーツ担当大臣を務めるアブドゥラジズ・ビン・トゥルキ・アルファイサルは、ドイツのテレビ局『Sport1(シュポルト1)』国内で2つめのF1レースを首都リヤドで開催する可能性について質問されると、「ノーとは言わないだろう」と答え、次のように続けた。
「我々は、これらのイベントは王国にとって利益のあるものだと理解している。だからこそ、これほどまでに投資しているんだ」
「どうなるかはF1と話し合う必要がある」
現在、サウジアラビアの首都リヤドにおいて大規模なエンターテインメント・プロジェクトが進められており、その一環としてキディヤと呼ばれる地区に新たな常設サーキットが建設されている。アル-ファイサル大臣も、サウジアラビアでは2回F1グランプリを開催する余裕は十分にあるとしている。
■年間レース数はもう増やせないとF1最高責任者
だが、F1最高責任者のステファノ・ドメニカリCEOは、2023年には年間24戦が行われることになるF1カレンダーをこれ以上拡大するつもりはないようだ。
「私は、これ以上のレース数を増やすことについて議論したいとは思っていないんだ」
『motorsport-magazin.com』にそう語ったドメニカリは次のように付け加えた。
「開催地を選ぶ際には多くの要素を考慮に入れている。たとえカレンダーの日程よりも多くのオファーがあったとしても、24レースが最大値であると明確に決めているよ」
つまり、現状では、サウジアラビア国内で1年に2つのF1レースを開催することは困難な状況だ。
■リヤドとジェッダで交互開催の可能性?
しかし、リヤドでのF1開催を視野に入れるサウジアラビアとしては、ジェッダとリヤドで1年ごとに交互開催することも選択肢のひとつとなるかもしれない。
アル-ファイサル大臣もこれに関して次のように語っている。
「ドイツではニュルブルクリンクとホッケンハイムがそうしていたし、それは我々にとっても選択肢になり得るだろう」
■オランダは2023年の開催契約が未締結
一方、今年鈴鹿で3年ぶりに開催されたF1日本GPで2年連続のF1チャンピオンとなったマックス・フェルスタッペンの母国GPとなるオランダGPが2023年も開催されることになるかどうかは依然として不透明な部分が残されているようだ。
2023年には夏休み明け最初のレースとして位置づけられているオランダGPだが、開催地であるザントフォールト・サーキットではまだ2023年以降のF1開催契約が結ばれていない状態となっている。
元F1ドライバーであり、現在はオランダGPの責任者を務めているヤン・ラマースは、『Noordhollands Dagblad(ノールトホラント・ダグブラト)』紙から2023年以降の契約について質問されると次のように答えている。
「まだ何もサインされていないよ」。