レッドブルF1のヘルムート・マルコ博士は、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が予算上限(バジェットキャップ)スキャンダルで2021年のワールドチャンピオンを失うかもしれないという噂について「ナンセンス」だと述べた。
レッドブルはFIAによって、昨年の予算上限を5%未満で破ったことが判明している。
「あまり多くは言いたくないが」とヘルムート・マルコ博士は『f1-insider』に語っている。
「ただ、われわれはまだ、コストキャップ・ルールをまったく破っていないと信じている。FIAとの話し合いは続いている。最終的に何が出てくるか見てみようじゃないか」。
■フェラーリは罰金のみならず開発制裁を
しかし、トップチームのライバルであるメルセデスとフェラーリが、単なる罰金以上の重大なペナルティを強く求めているのは明らかだ。
フェラーリのチーム代表であるマッティア・ビノットは『eurosport.it』に、「コース上でのバトルやセレモニー、お祝いの後に世界選手権の結果を見るのは難しいことだと思う」と語った。
「しかし、明らかなのは、他より多くの資金を使うことで、その後のシーズンでもパフォーマンスの優位性が保たれるということだ。だから、我々は金銭的なペナルティに加え、より良いペナルティがあれば、クルマの開発スピードが落ちるに違いないと考えている」
「そうでなければ、そのアドバンテージは翌年以降も残り、我々は同等の手段なしに戦わなければならなくなる。私の考えでは、開発能力に制裁を下すようなペナルティが必要だ」と付け加えた。
■マルコ、メルセデスもフェラーリも過去の違法を振り返ろ
しかしマルコによると、レッドブルは現在、ペナルティの内容についてFIAと交渉中だという。
「先ほど申し上げたように、我々はまだ罪を犯したとは認識していないんだ。そのため、FIAとの話し合いはまだ続いているんだよ」と語った。
「しかし、例えばマックスが2021年の世界タイトルを失うかもしれないという噂は、まったくナンセンスだ。過去には、極端なレギュレーション違反であっても、FIAによって非常に軽い処分が下されたことがあるんだからね」
マルコが言っているのは、メルセデスがピレリタイヤの秘密テストを行ったことが発覚した2013年のことだけでなく、2019年にフェラーリが違法エンジン使用の疑いで軽いペナルティを受けたことも指していると思われる。
■ラルフ・シューマッハ、なぜFIAの情報がライバルにリークされたのかが問題だ
そして、元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、レッドブルの予算上限違反疑惑の詳細がライバルチームにリークされた経緯についてFIAは調査しなければならないと語っている。
「FIAの紳士淑女たちは、どうしてこんなことが可能なのか、今こそ詳細な調査に臨まなければならない」と語っている。
「もしレッドブルが本当に規則を破ったのであれば、それ相応の罰を受けるべきだろう。しかし、FIAがやったことは、まったく通用しない」
「想像してみてほしい。もし財務省が特定の企業に対して、競合他社に対する捜査の現状を知らせていたとしたらどうだい。それは犯罪にさえなるんだ」とドイツ人は付け加えた。
「すべては透明性をもって開示されなければならないし、違反があった場合にはFIAの紳士淑女は相応の処罰を受けなければならない」。