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【F1バジェットキャップ問題】FIAにメルセデスのスパイの存在を疑うレッドブル首脳

2022年10月04日(火)3:37 am

現在、レッドブルが2021年にバジェットキャップ(F1チーム予算上限)ルールに違反していたのではないかとのうわさがささやかれているが、元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、それに関連する情報をリークしたのはかつてメルセデスのチーム代表の弁護士を務めていた人物ではないかと考えているようだ。

■FIA関係者がメルセデスにF1チーム予算情報をリーク?

今年初め、かつてメルセデスと、そのチーム代表を務めているトト・ヴォルフのアドバイザーを務めていた弁護士のシャイラ・アン・ラオがFIA(国際自動車連盟)の新しいスポーツ担当事務局長に就任したことが明らかとなった歳、フェラーリを率いるマッティア・ビノット(チーム代表)は次のように語り、その人事に「懸念」を持っていることを認めていた。

「利害の衝突が全くないことを確認し、適切に行動するのはFIAの役目であり、それを保証するのは会長の役目だと私は思う」

最近、メルセデスのヴォルフが具体的な数字をあげながら、レッドブルが2021年にバジェットキャップ違反を行っていたと主張したことを受け、レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、スパイが予算枠のデータを流出させたのではないかとの疑いを抱いているようだ。そして、そのスパイとはアン・ラオを指しているのは間違いないだろう。

「まず何よりも、これは驚くべきことだ」

そう語った79歳のマルコは次のように続けた。

「これまでは何の情報もなかった。では、トト・ヴォルフが主張に使ったこの詳細な情報は、いったいどこから来たのか?」

「まずはそれを明らかにしなくてはならない」

マルコは、今回の流出情報は2021年のF1タイトル争いの終わり方に対するヴォルフの継続的な恨みと関係があるかもしれないと考えている。

「アブダビはもうとっくに終わったことだ。彼がまだそれを乗り越えていないのは少し奇妙なことだ」

母国オーストリアの放送局『ORF』にそう語ったマルコは、次のように付け加えた。

「彼がどうやってこの数字を思いついたのか、それが驚きだよ。彼は巨額の予算オーバーについて語っている。FIAのどこかにスパイがいるに違いないよ」

■FIAには説明責任があるとラルフ・シューマッハ

FIAは最近、予算上限違反に関する「重大で根拠のない憶測や推測」に惑わされることがないようにとの声明を出している。

だが、シューマッハは今回の件についてはFIAがきちんと調査を行って説明するべきだと母国ドイツの『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』に次のように語った。

「トト・ヴォルフの親しい友人であり、かつて雇われていた人物が、現在FIAの非常に高い地位で働いていることは誰もが知っていることだ」

「FIAは自らを調査する必要があるね。なぜなら、この情報は絶対に漏らしてはならないからだ。それはF1を傷つけるだけだし、その責任を問われるのはFIAだけだ」

「しかし、水曜日(5日)に何が出てこようと、私からすれば、トト・ヴォルフの厳しい批判は、タイトルを失ったという事実をまだ消化していない潔くない敗者としか見えないよ」

■レッドブルにバジェットキャップ違反はないとチーム首脳

現時点では、レッドブル以外にもアストンマーティンが2021年のバジェットキャップに違反した疑いがあると言われているが、オランダの放送局『Ziggo Sport(ジッホ・スポルト)』は、もしもこの2チームの違反が認められた場合には、それぞれ750万ドル(約11億円)の罰金が科されるとともに、さらに来年の風洞使用制限を受ける可能性があると報じている。

しかし、マルコは、レッドブルは現在FIAとともに状況を明確にするためのプロセスを進めていると主張している。

「今日に至るまで最終報告書はないし、具体的な数字も出ていない」

「しかし、解釈の面でFIAと異なる状況の見方をしている点がいくつかある。我々はFIAに報告書を送ったが、今のところ回答はないよ」

「しかし、我々の6点のうち2点だけでも考慮されれば、我々は上限を下回っている」

そう語ったマルコは、次のように付け加えた。

「そのほかに出回っているものは何もかも、全くのでたらめだよ」。

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