F1は精力的にレースの“見せ場”を増やすための施策を検討しているようだ。
既報の通り、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は、2023年から“スプリント”を開催するグランプリをこれまでの3レースから6レースに増やすことを発表している。
F1最高責任者(CEO)を務めるステファノ・ドメニカリは、これについて次のように語っている。
「スプリントは、金曜日のスタートから日曜日のメインイベントまで、3日間にわたってドライバーたちが何かを求めて戦う場をもたらすものだ」
■将来に向けてさらなる“改善”を目指すF1
だが、F1では、レース週末をさらにエキサイティングなものとするために、それ以外にもイベントの追加やルールの修正を行うことを検討しているようだ。
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によれば、現在検討されているものの中には次のようなものがあるという。
■DRS使用ルールの見直し?
ひとつは、DRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)に関するルールの見直しのようだ。
現在はサーキットごとに1か所から3か所のDRSゾーンが設けられており、検知ポイントにおいて前を走るマシンとのタイム差が1秒以内の場合にはそのゾーンでのみDRSを作動することができることになっている。そして、DRSの使用が可能となるのは、レーススタート直後の混乱を避けるために、コース上の状況がある程度落ち着いてからとなっている。
だが、F1ではこのDRSを1周目から使用可能にすることや、ドライバーに1周ごとのDRS割り当てを与えることで、DRSをどこで作動させるかをドライバーが決めることができるようにすることなどを検討しているという。
■スプリント開催グランプリではもうひとつ予選を実施?
さらに、スプリントが開催されるグランプリにおいては、予選を2回行うという案も出ているようだ。
現在は、金曜日に予選が行われ、そこで土曜日に行われるスプリントのグリッド順が決定される。そして、日曜の決勝は、スプリントの順位でスターティンググリッドが決まることになっている。
だが、今後に向けて、金曜日に行われる予選でスプリントのスターティンググリッドが決められるのに加え、土曜日にもうひとつ予選を行い、そこで日曜日の決勝のスターティンググリッドを決めるという案が出てきているようだ。
そうなると、ひとつのレース週末で2回の予選と2つのレースが開催されることになり、F1としては観客にとってより興味深く、エキサイティングな週末にすることができると期待しているようだ。
■新ルールの導入目標は2024年?
だが、これらの案が2023年からすぐに採用される可能性は小さいようだ。
「2023年に向けてギリギリで変更するには、30票中28票が必要だ」
そう報じた『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、次のように付け加えている。
「その可能性はかなり小さいだろう。それゆえ、現在の目標は2024年となっている」。