今週末に2022年F1第16戦イタリアGP(11日決勝)が開催されるモンツァ・サーキットだが、将来もF1を開催し続けるためには大規模な改修作業が必要となっている。
■今年100周年を迎えるモンツァ・サーキット
今年は1922年に完成したモンツァ・サーキットが100周年を迎えることで、フェラーリはこれを祝うために特別な黄色のカラーリングを施してレースに臨む。
しかし、F1有数の伝統的サーキットであるモンツァも今後F1カレンダーに載り続けることができるかどうかは不透明な状況だ。
アメリカのリバティ・メディアがオーナーとなって以来、それまでヨーロッパを中心としていたF1は積極的に中東、アジア、アメリカ大陸への進出を進めており、最近の情報では近い将来南アフリカでのF1も復活することになるようだ。
2023年もF1史上最多となる24レースがカレンダーに組み込まれることになるのが確実な状況となっているが、実際のところ年間レース数をそれ以上に増やすことは現実的に難しいと考えられている。
このため、F1がより大きな関心と収益を集められる新しい地域に進出していくためには、これまでヨーロッパで行われてきたレースを減らしていくしかなくなるわけだ。
■多くの国からF1誘致の申し出
F1最高責任者を務めるステファノ・ドメニカリは、イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に次のように語った。
「私は、多くの国がF1を誘致しようと我々に連絡してくることを誇りに思っている」
「私は昨夜イタリアに来てバスケットボールを見に行ったんだが、多くの人が私のところに来て、F1という製品を祝福しに来てくれたよ」
「(チケットは)アブダビ(最終戦)まで完売しているんだ」
■消えゆくヨーロッパでの伝統F1レース
実際のところ、すでにドイツ国内でのF1は2020年にニュルブルクリンクで行われたアイフェルGPを最後にカレンダーから消えており、2023年のカレンダーからはフランスGPが消えることになっている。
人気の高いスパ・フランコルシャンでのベルギーGPは来年も開催されるものの、契約はその1年のみとなっており、南アフリカGP開催が決まれば同じくカレンダーから消える運命だと考えられている。
■モンツァが生き残る条件は「非の打ちどころのない改修」
ドメニカリは、現時点では2025年までの開催契約があるものの、モンツァもF1カレンダーにとどまりたいのであれば求められているサーキット改修を急ぐべきだと圧力をかけている。
「大衆とチームにとってより快適な会場にするために、合意されたことを実行しなければならない」
そう語ったドメニカリは次のように続けた。
「政治的、財政的な危機が遅れの原因になっていることは理解している。だが、我々はよそでは受け入れられなかったであろう妥協をすることで、我々の意志を示してきた」
「我々がそうしたのは、このグランプリをカレンダーにとどめなくてはならないと考えたからだ。しかし、それを実現するためには、我々は非の打ちどころのないことをする必要がある」
今週末には100周年を祝うイベントも用意されているモンツァだが、ドメニカリは次のように付け加えている。
「イタリアがシステムを作りあげることができれば、ほかの誕生日も祝うことになるだろう」
ドメニカリによれば、モンツァのプロモーターからは「今後数か月」のうちにサーキットの改修工事が開始されると聞いているという。