F1最高責任者(CEO)であるステファノ・ドメニカリが、最近批判の矢面に立たされているフェラーリF1チーム代表のマッティア・ビノットを援護するコメントを行った。
■最強F1マシンを手にしながら墓穴を掘り続けるフェラーリ
新たなF1技術レギュレーションが導入された2022年シーズンだが、F1マシンの純粋なパフォーマンスという観点から見れば、最強マシンを持ち込むことに成功したのがフェラーリだと考えられている。
だが、そのF1マシンはパフォーマンスを重視したことで信頼性に問題を抱えたほか、チームの戦略ミスやドライバーのミスによって勝てるはずのレースをいくつか失ってしまったのは確かだ。
先週末にザントフォールトで行われた今季のF1第15戦オランダGPでもカルロス・サインツがピットインした際にタイヤが用意されていないという信じられないミスを犯してしまったフェラーリだが、こうしたことを受けて2016年のF1チャンピオンであるニコ・ロズベルグは「F2やF3チームでさえもレース戦略やピットストップに関してはフェラーリよりも上だ」と語り、フェラーリはチーム人事に手を付けるべきだと主張している。
実際のところ、フェラーリのチーム運営を批判するF1関係者やメディアも多いが、伝えられるところによれば、イタリアのマラネロにあるフェラーリ本部内でもビノットに対する批判の声が上がりつつあるという。
■ビノットを全員でサポートしなくてはならないと元チーム代表のドメニカリ
こうした中、2008年からフェラーリのチーム代表を務めていたものの、2014年シーズン序盤に成績不振により事実上更迭されたという経験を持つドメニカリは次のように語った。
「内部と外部の両方から批判するのは簡単なことだよ」
「だが、私は、現時点ではすべてのフェラーリ関係者はマッティア・ビノットをサポートしなければならないと考えている」
「その後、ジョン・エルカーン会長とビノットが彼らにふさわしい結果を得るために行わなければならないであろう選択を、私が判断するわけにはいかないよ」
■フェラーリとレッドブルの差はポイント差ほどには大きくない
しかし、今シーズン序盤こそシャルル・ルクレールが2007年のキミ・ライコネン以来となるドライバーズタイトルをフェラーリにもたらすことになるだろうと言われていたものの、現時点ではレッドブルに完全に支配されてしまっているのが現実だ。
すでにマックス・フェルスタッペンとランキング2番手のルクレールの差は7レースを残す時点で109ポイントにまで開いてしまっている。
「この1位と2位の大きな差については、信頼性とマネジメントが果たした特定の役割を評価する必要がある」
ドメニカリもイタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』にそう語ったものの、それでも今年のF1は最後まで面白いものになるはずだと次のように付け加えている。
「しかし、全体的に、その背後にある差は以前よりも小さくなっており、最後の最後まで戦いが続くことは約束されているよ」