既報の通り、ポルシェがレッドブル・レーシングの株式50パーセントを取得し、今後は共同でF1チーム運営を行う計画であることが明らかとなっている。
●ポルシェとレッドブルF1の提携詳細がモロッコで判明。株式50%取得で共同運営
フォルクスワーゲン傘下のスポーツカーメーカーであるポルシェが2026年からエンジンサプライヤーとしてF1参入することは、すでに確定事項であることがよく知られている。
しかし、2026年に導入予定の新F1エンジンレギュレーションがまだ確定していないことから、現時点ではレッドブルもポルシェも正式にそれを発表するには至っていない。
しかし、このほどモロッコの公正取引委員会(Conseil de la Concurrence)が、レッドブルとポルシェが申請した内容を公表したことから、思わぬ形でレッドブルとポルシェの提携が確認されたのだ。
■すでに自社製造エンジンのテストも始まっているとヘルムート・マルコ
現時点では、名目上は自分たちのエンジン部門であるレッドブル・パワートレインズのエンジンを使用していることになっているレッドブルだが、実際に搭載されているのはホンダが製造したエンジンだ。
だが、レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は今週、母国オーストリアの『Osterreich(エステルライヒ)』紙に対し、イギリスのミルトン・キーンズにあるレッドブル・パワートレインズのファクトリーでは自分たち独自のエンジン製造プロジェクトが計画通りに進んでいると次のように語っている。
「最初のシリンダーは、すでにテストベンチで作動しているよ」
「これは、イギリスのパワートレインズ・ファクトリーで働く人々による驚くべき成果だ。このプロジェクトは、クリスチャン・ホーナー(レッドブル/チーム代表)の子供なんだ」
■マルコのレッドブルでの計画は2025年まで
一方、マルコは、現在の自分とレッドブルとの契約は2025年シーズンまでとなっており、その後の進退に関してはまだ決まっていないと示唆している。
「私にはまだ情熱があるし、実際の自分よりも若いと感じているよ」
そう語った79歳のマルコは次のように続けた。
「我々は将来に向けてしっかりとしたポジションにいるよ」
「マックス・フェルスタッペンという最速のドライバーと我々は2028年まで契約している。我々は継続性を重視しており、主要な人物たちは長期間にわたって我々と一緒に仕事をしてきているんだ」
「私に関しては、2025年までの計画を立てているよ。それは、現在のレギュレーションでレースを続けることになる期間だ」
1971年から72年にかけてマクラーレンとBRMで9レースに出走した経験を持つ元F1ドライバーであり、法学博士号も持つマルコは、世界的エナジー飲料メーカーの総帥であるディートリッヒ・マテシッツの右腕として知られている。
そのマルコは、2025年の4月27日には82回目の誕生日を迎えることになる。