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【フェラーリ】「ポーポイズ現象対策のためのルール変更は認められない」とチーム創設者の息子。メルセデスに「黙々と作業を続けたまえ」

2022年07月28日(木)20:25 pm

イタリアの名門自動車メーカーであるフェラーリの副会長を務めるピエロ・フェラーリが、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が推進しようとしている「ポーポイズ現象対策」に対して抗議する可能性もあると示唆した。

新たに導入された新技術レギュレーションにより、今年のF1マシンはシャシー自体がダウンフォース効果を発生する“グラウンドエフェクト効果”を持つものとなっている。

だが、それにより、多くのチームのマシンが高速走行時に激しく上下動する「ポーポイズ現象」に悩まされてきている。

これを受け、FIAは安全性やドライバーの健康問題の観点から、ポーポイズ現象を抑えるためにF1マシンに一定の技術的規制を設けることを計画している。

■FIAの規制強化に反メルセデス派の6チームが抵抗

だが、最近の報道によれば、レッドブルやフェラーリを含む6チームが、この規制強化に抵抗していることが明らかとなっている。

その6チームは、FIAが規制強化に動いた背後には今年は苦戦を強いられているメルセデスがいると疑っているようだ。実際のところ、上記の6チームには、メルセデスF1エンジンを搭載する4チーム(メルセデス、マクラーレン、アストンマーティン、ウィリアムズ)は含まれていないという。

レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、これに関して次のように語っている。

「非常に多くのロビー活動が行われていると私は思っている。それは、来年に向けてレギュレーションを大幅に変更し、特定のチームがマシンの車高を下げることで、そのコンセプトから利益を得られるようにするためだ」

■「我々はいかなる親切な行為や近道も求めなかった」とピエロ・フェラーリ

こうした中、フェラーリの創設者エンツォ・フェラーリの息子であるピエロ・フェラーリは、フェラーリはこのルール変更に反対するつもりだと母国イタリアの『Autosprint(オートスプリント)』誌に次のように語っている

「我々は、自分たちの根拠を主張するつもりだ」

「我々は、いかなる搾取にも反対する」

「何年もの間、フェラーリはメルセデスに対してエンジンで劣っていた。だが、我々はいかなる親切な行為や近道も求めなかった」

「我々は尊厳を持って負け、挽回するために黙々と作業をしてきた。我々の対戦相手もこのように振る舞うべきだ。そうは思わないかね?」

■フェラーリの課題は実力に見合った結果を出すこと

現時点において、フェラーリにとって明るい材料は、2022年に導入された新しい技術レギュレーションのもとで、フェラーリが最も競争力のあるマシンを造り上げたことだろう。

実際のところ、純粋なパフォーマンスという観点からすれば、フェラーリの2022年型F1マシンは、現在ドライバーズランキンとコンストラクターズランキングでトップに立っているレッドブルF1マシンを上回っていると考えられている。

ピエロ・フェラーリは次のように続けている。

「会社として、我々は自分たちのレーシング部門がこれまでに達成したことを誇りに思っている」

「難しい時期を乗り越え、今はどのサーキットでも競争力のあるマシンを手に入れることができた。もちろん、修正すべき点や、完璧にしなければならない細部もある」

「だが、今年のフェラーリは非常に競争力がある。もちろん、もっと多く勝ちたいと思っているし、これまでのポールポジション(8回)と、トップでチェッカーフラッグを受けた勝利の数を逆にできればいいんだがね。ここまでのところ、それは4回で、ちょうど半分だ」

そう語った77歳のピエロ・フェラーリは次のように付け加えた。

「しかし、我々は正しい道を歩んでいるよ」。

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