レッドブルは、2022年のF1が残り10レースとなった時点でマックス・フェルスタッペンがライバルであるフェラーリのシャルル・ルクレールに対して大きなリードを築いているにもかかわらず、これからも2022年型F1マシンの改良を続けていく計画のようだ。
■今週末のF1ハンガリーGPではフェラーリが有利
レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、今週末に今季のF1第13戦ハンガリーGP(31日決勝)が行われるブダペストのハンガロリンクは、フェラーリにとって有利なサーキットになるはずだと警戒している。
「ブダペストに関しては、フェラーリが有利になるはずのサーキットだ」
そう語ったマルコは、次のように付け加えた。
「自分たちに合ったレースになるのは、夏休みが終わってからだよ」
■シーズン後半もマシン開発を継続するレッドブル
そのため、チーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、レッドブルは今後も当面はマシンの開発を続けていくつもりだと次のように語っている。
「我々は、バジェットキャップの範囲内で可能な限り効率的な開発を行う計画を立てているんだ。今のところ、その計画を変える予定はないよ」
ホーナーは、先週末の第12戦フランスGP決勝でルクレールがミスをおかしてリタイアしたあと「フェラーリの不運は自分たちの幸運だ」とコメントしていた。つまり、レッドブルとしては、現時点では大差となっているものの、それが本当のマシンの力に見合ったものでない限り、いつどこで風向きが変わってもおかしくないと考えているようだ。
マルコは、レッドブルの今後のマシン開発について次のように続けた。
「アップデートはもはやそれほど大きなものではなくなるだろう。だが、シーズン後半もアップデートを続けていくよ」
「我々は大きなリードを持っている。だが、2台(レッドブルとフェラーリ)のマシンのパフォーマンスを見る限り、それはおそらく本当の差以上だろうと思うよ」
■エンジン交換によるグリッドペナルティのタイミングも検討
マルコはさらに、フェルスタッペンが今後どこかのレースで年間許容数を超えるエンジンを投入し、グリッド降格ペナルティを受けることも想定しているようだ。
今年は、エンジンの主要コンポーネントに関しては年間3基までとの制限があるが、現時点でフェルスタッペンのマシンに搭載されているエンジンは2基目となっている。つまり、ペナルティなしで投入できる新たなエンジンはあと1基ということになるが、そのエンジンだけで残りのレースを最後まで戦い続けるのはさすがに厳しいとレッドブルでは考えているようだ。
「オーバーテイクしやすいサーキットを選ばなければならないだろう」
そう語り、規定数を超えるエンジンコンポーネントの投入時期を検討していることも示唆したマルコは、まだ2022年のタイトル争いを安心して見ていられる状況ではないと次のように付け加えている。
■年間12勝すればタイトルが現実的なものに
「まだいろいろなことが起こりうるよ。タイトルをとるための現実的なチャンスを手にするには、10から12レースで勝たなければならないと思っている」
ここまで12戦を終えた段階で、フェルスタッペンは7勝をあげている。マルコの胸算用からすれば、レッドブルとフェルスタッペンが安心できるようになるためには、あと3勝から5勝が必要だということのようだ。