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ジャック・ビルヌーブが指摘「F1フランスGPではフェルスタッペンとルクレールの“大きな違い”が示された」

2022年07月26日(火)23:32 pm

先週末にポール・リカール・サーキットで行われた今季のF1第12戦フランスGPでは現F1チャンピオンのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今季7勝目をあげ、2年連続でのドライバーズタイトル獲得に向けてまた一歩前進を果たした。

●【F1第13戦ハンガリーGP】開催スケジュール

タイトル争いのライバルであるシャルル・ルクレール(フェラーリ)は、フランスGP決勝をポールポジションからスタートし、フェルスタッペンの攻撃をしのいでトップの位置をキープしていた。しかし、最終的にはマシンコントロールを失ってバリアに激突しまい、ノーポイントでレースを終えてしまっている。

このルクレールの痛恨のミスにより、今季の残りのレースがあと10戦となった時点で、フェルスタッペンとルクレールのポイント差は63ポイントにまで広がってしまった。

■ルクレールの逆転はかなり困難な状況に

実際のところ、今季のフェラーリF1マシンは決してレッドブルにひけをとっているわけではない。だが、ポイント差がこれほどにまで開いてしまうと、さすがに残りの10戦でルクレールがフェルスタッペンを逆転するのは難しくなったと考えているF1関係者も少なくないようだ。

そして、フェラーリの本拠であるイタリアのメディアにも、あきらめムードが漂い始めている。

「完璧な人間などいない。だが、タイトルは常に最もミスが少なかった者の手に収まるものだ」

そう書いた『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』は、次のように続けている。

「ルクレールが不安定であることがチーム全体にとっての問題になり始めている。なぜなら、不安を抱えたチャンピオンが素晴らしいドライバーになることはできるが、素晴らしいリーダーにはなれないからだ」

「今や、フェルスタッペンが非常に大きなアドバンテージを持っており、自信を持って2つ目のタイトルに向かっている」

『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』も次のように報じている。

「チャンピオンになるためには、このようなミスは許されない」

「フェルスタッペンは過去の失敗から学び、時間をかけてミスをおかさないドライバーになった。今、ルクレールはその道を進んでいるところだ」

■フェラーリは今後の10レースで勝てるとチーム代表

しかし、フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットは、ルクレールがトップ走行時におかした先週末のミスは、すでに過去のことだと主張している。

「残り10戦で勝てない理由はないよ」

「我々が手にしているパッケージを考えれば、私は非常に前向きだよ」

「我々の基本コンセプトがよいことはわかっているし、クルマの開発も非常にうまくいっているからね」

そう語ったビノットは次のように付け加えた。

「このチームは今年の冬から非常に勇敢な決断を下したし、実際にうまく機能する革新的マシンを投入できているんだ」

■F1ハンガリーGPではフェラーリがさらに強さを発揮?

今週末には夏休み前最後のレースとなる第13戦ハンガリーGP(31日決勝)が行われるが、レッドブル陣営はその舞台となるハンガロリンクもフェラーリF1マシンの方により合うと考えられることから、苦戦を予想しているようだ。

ビノットも、ハンガロリンクではF1マシンに投入した新しいフロアの効果を本当に確認することができるだろうと考えている。

「我々は新しいフロアを導入したが、それによってパフォーマンスの向上だけでなく、バウンシング(マシンが跳ねること)もなくすことができるはずだ」

「これまでのところテストをするのは難しかったんだ。ポール・リカールのアスファルトはかなり滑らかだからね」

■フェラーリの問題は“責任感”の欠如だと元F1ドライバー

こうした中、現在はF1オランダGPの責任者を務めている元F1ドライバーのヤン・ラマースは、ポール・リカールでは確かにルクレールがミスをおかしたかもしれないが、チームとしてのフェラーリにミスが多すぎることが問題なのだと考えている。

「今後の10レースで勝つことができるというビノットの発言はわからないこともない」

『NOS(オランダ放送協会)』にそう述べた66歳のラマースは次のように続けた。

「私が唯一フェラーリに欠けていると思うのは責任感だ」

「ルクレールは責任感を持っているし、それは賞賛できる。だが、フェラーリにはミスが目立ちすぎるよ」

■フランスGPで示されたフェルスタッペンとルクレールの“大きな違い”

一方、日頃から歯に衣着せぬ発言をすることで知られる1997年のF1チャンピオンであるジャック・ビルヌーブは、先週末のフランスGPは、フェルスタッペンとルクレールの大きな違いをはっきりと示すものだったと考えている。

「本当に理解できないよ。オーストリアでは彼(ルクレール)もプレッシャーに負けることはなかったからね」

ポール・リカール・サーキットでのルクレールのミスについてそう語ったビルヌーブは、フェルスタッペンの母国オランダの『Formule 1(フォーミュレ1)』誌に次のように続けた。

「だが、それがルクレールとフェルスタッペンの大きな違いだよ」

「マックスにはこういうことは起きないんだ」

「もしルクレールに負けたとしても、彼は普通なら2位でフィニッシュする。だから、この大きなポイント差を縮めるのは簡単なことではないよ」

そう語った51歳のビルヌーブは次のように付け加えた。

「今年は基本的には同レベルのマシンによるタイトル争いとなっているけれど、そのうちの1チームが大きくリードしている。これは、タイトル争いの勝ち負けがどのように決まるのかを最もよく示している例だよ」。

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