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「お互い能力を超える次元」でのトップレベルの戦い・・・タイトルを争うルクレールのミスは「残念」とレッドブル首脳。フェルスタッペン「集中し続ける」

2022年07月26日(火)5:48 am

レッドブルの首脳陣が先週末のF1フランスGP決勝で起こったシャルル・ルクレール(フェラーリ)のクラッシュを「非常に残念だった」と語った。

2022年のF1チャンピオン候補は、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)とルクレールの2人に絞られてきている。

実際のところ、今季のマシンの競争力という点では、現時点ではレッドブルよりもフェラーリの方にアドバンテージがある。ここまでに12戦を消化した今年のF1だが、そのうち8レースでフェラーリがポールポジションを獲得していることからもそれは明らかだろう。

■ポイント差を縮めたかったルクレールに痛恨のミス

第10戦イギリスGPではカルロス・サインツが、そして第11戦オーストリアGPではルクレールが勝利を収めたフェラーリは、先週末のポール・リカール・サーキットでも強さを示し、ルクレールが今季7回目のポールを獲得。ルクレールにとっては38ポイント差をつけられていたフェルスタッペンとの差を縮めるチャンスだった。

だが、モナコ出身のルクレールはフランスGP決勝で、背後から追ってくるフェルスタッペンの攻撃をしのぎながらトップを走っていたものの、18周目にコントロールを失ってバリアに突っ込んでしまった。

このとき、実はフェルスタッペンが17周目に入ったところで先にピットインし、ミディアムタイヤからハードタイヤに交換していた。ルクレールとしては、ストレートスピードではフェラーリをしのぐパフォーマンスを見せていたフェルスタッペンにオーバーカットを許すまいと、さらにペースを上げようとしていたのではないだろうか。

■自分のミスだったと認めたルクレール

クラッシュ直後の無線連絡でルクレールがスロットルに問題があると示唆するような発言をしたことから、最初はマシンが技術的な問題を抱えていたのではないかと考えられていた。

だが、その後ルクレールは自分の過失であったことを認め、次のように語っている。

「もし、僕らがチャンピオンシップを失うことになったら、僕にはその理由が何だったのかわかっているよ」

■ルクレールへの信頼は揺るがないとフェラーリのボス

しかし、フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットはルクレールを擁護している。

「スロットルに関しては、彼がバックしてバリアから抜けだそうとしたときのものだったんだ。残念ながら、ノーズは完全に(バリアに)はまってしまっていたよ」

テレビ局『Sky Italia(スカイ・イタリア)』にそう語ったビノットは次のように続けた。

「だが、シャルルは戦士だし、このチームには彼への信頼を疑う者など誰もいないよ」

「我々はさまざまな形で多くのポイントを失ってしまった。そして、我々はほかの方法でポイントを獲得していくつもりだ」

「気持ちを切り替えようじゃないか。彼のような戦士が犯したミスについて議論しても意味はないよ。我々はもう来週(第13戦ハンガリーGP/31日決勝)のことを考えているんだ」

■これからまだ何が起こるかわからないとフェルスタッペン

ルクレールがノーポイントで終わり、ランキングトップのフェルスタッペンが今季7勝目をあげたことで、両者のポイント差は63ポイントにまで開いてしまった。

しかし、2年連続でのタイトル獲得を目指すフェルスタッペンは、まだ安心してなどいないようだ。

「確かに、すごく大きなリードだよ。だけど、いろいろなことが起こる可能性もあるし、僕は集中し続けたいと思っている」

「僕たちにはまだ1周でのスピードがもっと必要だね。それに、ブダペスト(ハンガリーGP)ではもう少し苦戦することになるだろうと思っている。フェラーリは本当にすごく速いと思うよ」

そう語った24歳のオランダ人ドライバーは次のように付け加えた。

「だから、たとえ自分が勝てないときでも、すべてのレースでポイントを獲得することが重要なんだ」

■ルクレールに同情するヘルムート・マルコ

一方、レッドブル陣営は、フェルスタッペンの大量リードにつながったルクレールのミスを喜んでいるかと思いきや、ヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、痛恨のミスをおかしてしまったルクレールに同情的でさえある。

「ルクレールに起きたことは残念だよ」

オーストリア出身のマルコはそう語ると、あのままフランスGPでフェルスタッペンとルクレールの戦いが続くことを期待していたと次のように続けた。

「トップレベルの戦いになっていただろうし、そこではおそらく我々の方にアドバンテージがあったんじゃないかな」

「その前にはエンジンの問題で彼がすでに2度リタイアしているのも残念だ。このような素晴らしい戦いにおいて、そうしたミスが続くのは気の毒だよ」

■また流れが変わることもあるとクリスチャン・ホーナー

レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーも次のように語っている。

「レースがどういう結果になっていたかはわからないし、本当に残念だよ」

「でも、私はルクレールを“クラッシャー”と呼ぶつもりはない。あの2人はお互いに大きなプレッシャーをかけあいながら、自分たちの能力を超える次元でクルマを走らせているんだ」

「だから、我々はシャルルの不運は我々にとっての幸運だと捉えている。しかし、シーズンを通してみれば、振り子はまず一方向に振れ、それから反対方向に振れるものなんだ」

■サインツもチームメイトのミスを擁護

年間規定数を超えるエンジンコンポーネントを投入したことでフランスGP決勝を最後列からスタートしたフェラーリのサインツもチームメートのルクレールを擁護している。

「僕はミスをするし、シャルルもミスをした。そして、フェルスタッペンもミスをするだろう」

『DAZN(ダゾーン)』にそう語った27歳のスペイン出身ドライバーは次のように付け加えている。

「僕たち全員が限界に挑戦しているし、時にはこういうこともあるんだ」。

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