メルセデスF1チームの代表を務めるトト・ヴォルフが、2021年のF1チャンピオンであるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が2年連続でタイトルを獲得する可能性が高いと示唆した。
2014年以降昨年までF1コンストラクターズタイトルを8年連続で獲得してきた最強F1チームのメルセデスだが、今季は現時点ですでにランキングトップのレッドブルに116ポイントもの大差をつけられてしまっている。
ドライバーズタイトル争いもフェルスタッペンが大差をつけてライバルたちをリードしている。通算7回のタイトル獲得記録を持つメルセデスのルイス・ハミルトンもすでに98ポイント差をつけられており、事実上今年のタイトル争いからは完全に脱落した状態となっている。
■最終戦までレッドブルとフェラーリの戦いが続いて欲しい
「今年のマシンではマックスが抜きん出ている。それは認めざるを得ない」
「あまりにも早くF1チャンピオンが決まるのはF1にとってよくないから、私としてはアブダビでの最終戦までレッドブルとフェラーリの戦いが続くのを見てみたいよ」
そう語り、少なくとも自分たちには今季のタイトル争いはできないと認めたヴォルフだが、現在の状況を鑑みれば、今年もフェラーリがタイトルを獲得するのは難しいだろうと次のように付け加えている。
「だが、現時点ではそうなりそうにはないね。というのも、フェラーリは墓穴を掘っているからね」
■もはやメルセデスが自力でレッドブルに追い付くことはできない
現時点ではドライバーズ選手権とコンストラクターズ選手権の両方でレッドブルとフェラーリに大きな差をつけられてしまっているメルセデスだが、今後大きく改善してタイトル争いに加わってくる可能性はないのかと質問されると、ヴォルフは次のように答えた。
「我々は戻ってくるよ。そして、今年中に何度か発言権を手にするときもあるだろう」
「だが、日を追うごとにそうなるわけではないんだ。だから、彼らに少し遊ばせておいて、それから我々が見事に返り咲くというストーリーを展開するつもりだよ」
母国オーストリアの『Kronen Zeitung(クローネン・ツァイトゥング)』にそう語った50歳のヴォルフは、次のように付け加えた。
「信頼性の高さが間違いなく我々の目玉だ。だが、現実的には、彼らに追い付くことができるようになるためには、レッドブルが何度も問題を抱える必要があるね」。