2007年のキミ・ライコネン以来となるF1ドライバーズタイトルを目指しているフェラーリだが、シャルル・ルクレールがシーズン序盤に大きなリードを築いていたにもかかわらず、エンジントラブルによって2レースをノーポイントで終えたことから、第8戦アゼルバイジャンGPを終えた時点ではランキングトップのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とは34ポイント差の3番手に下がってしまっている。
フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットも、2022年仕様エンジンの信頼性問題は長期的な観点からすれば「確かに心配だ」とアゼルバイジャンGP決勝後に語っていた。
■モントリオールではエンジンの信頼性問題に不安はない
しかし、ビノットは、今週末にモントリオールのジル・ビルヌーブ・サーキットで開催される第9戦カナダGP(19日決勝)ではフェラーリエンジンがトラブルを抱えることはないと考えているようだ。
先週のバクーでルクレールのエンジンに起こったトラブルは何だったのかと質問されたビノットは、イタリアの『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』に次のように答えた。
「まだ答えは出ていないんだ」
「火曜日(14日)にはファクトリーでパワーユニット(エンジン)の分析が行われるから、もっとよく理解できるようになるだろう」
「だが、モントリオールに関しては、私は心配していないよ。そこでは新しいエンジンを使うし、走行距離が少ないうちはこういう問題は起きないはずだからね」
「残りのシーズンに向けては、できるだけ早く解決策を見つけなければならないよ」
そう語ったビノットだが、「解決策は2、3日で見つかるものではない」と付け加えている。
■パフォーマンス改善に集中したことが信頼性問題につながった
ビノットは、現在直面しているエンジンの信頼性問題は、2020年と2021年にフェラーリが苦戦を強いられたこともあって、2022年シーズンに向けてパフォーマンスの大幅な改善に注力してきた結果として生じているものだと説明している。
「我々はまずパフォーマンスに集中した。そして、それに到達したところで、我々は信頼性について考えたんだ。このエンジンは4年間(開発が)凍結されることもあるからね」
「だが、それは我々がリスクを冒したということではないんだ。我々は、信頼性については十分なレベルに達していると考えていたんだ」
そう語ったビノットは、「これからも取り組み続けるよ」と付け加えている。
■フェラーリエンジンユーザーのハースも不安を隠せず
先週末のアゼルバイジャンGP決勝では、ルクレールだけでなく、フェラーリから供給されたエンジンを搭載しているアルファロメオとハースのマシンにもトラブルが発生していた。その2チームがフェラーリエンジンの信頼性に不安を抱えているのは間違いないだろう。
ハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーは、そのことについて質問されると、微笑みを浮かべながら次のように答えている。
「私はまったく心配していない、と言ったら信じるかい?」