いくつかのF1チーム首脳たちが、歴史と伝統を持つモナコがF1カレンダーから消えるかもしれないという噂は決して的外れなものではないと認めた。
■モナコGPがF1カレンダーから消える?
2017年から新オーナーであるアメリカのリバティ・メディアによって運営されるようになったF1だが、最近ではアメリカのマイアミやラスベガスなどで新たなレースを開催する計画を進めるなど、かつてはヨーロッパが主体となっていたF1カレンダーにも大きな変化が起き始めている。
そして、その流れの一環として、これまでF1の伝統レースとして位置づけられていたモナコGPや、スパ・フランコルシャンでのベルギーGPでさえ2023年のカレンダーから抜け落ちる可能性もあると噂されている。
■「我々は過去に生きることはできない」とハースのボス
こうした中、ハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーは「明らかに状況は変化している」と認め、次のように続けた。
「我々は常に進化し、発展していかなければならない。そして、もしも現状維持のためにモデルを変えなければならないのであれば、私は変える必要があると思う。我々は過去に生きることはできないからね」
「モナコが適切な状況下でカレンダーに残ることを願うよ」
シュタイナーが言う「適切な状況下」というのは、モナコにかかわる財政問題だと考えて間違いないだろう。伝えられるところによれば、世界3大レースのひとつにも数えられる伝統レースということもあって、現時点ではモナコのレースプロモーターが支払うレース開催権料はほかのすべてのレースの中で最も低いとされている。
■「モナコにも進化が必要だ」とレッドブルのボス
レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、この件に言及しながら次のように語った。
「もしモナコが新しいサーキットで、彼らが『すべてのサーキットの中で最も低い開催料で、ここへ来てもオーバーテイクはできないよ』と言ったとしたら、カレンダーに加えられることは絶対にないだろうね」
「モナコには伝統があり、歴史があるからこそ、我々はモナコを受け入れている。それだけだ。私は進化していかなくてはならないと思っている」
「もし立ち止まっていたら、それは後退しているということだ。そして、それはスポーツのすべての側面に当てはまることだと思うよ」
■どのグランプリも「旧態依然では生き残れない」とアルファロメオのボス
アルファロメオのチーム代表であるフレデリック・バスールも、モナコが「旧態依然としたままで」グランプリがカレンダーに留まると期待することはできないと主張し、次のように付け加えている。
「そして、私はモナコのことだけを考えているわけではないんだ。それはすべてのグランプリにとっての教訓だよ」。