レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が、今週末に今季のF1第6戦スペインGP(22日決勝)に持ち込むマシンはまだ技術レギュレーションで規定されている最低重量に近づけることはできていないと明かした。
■フェラーリがレッドブルの予算オーバーを懸念するのは「ナンセンス」
2022年F1シーズン序盤はフェラーリが大きくリードする展開となっていた。だが、第4戦エミリア・ロマーニャGPと第5戦マイアミGPで連勝を飾ったレッドブルが急ピッチで追い上げてきている。
最近では、レッドブルのマシンが短期的にパフォーマンスを向上させたことに対し、フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットがレッドブルでは本当にバジェットキャップ(チーム予算上限)を守ることができるのかと疑問を呈している。
だが、それに対してマルコは『motorsport-total.com』に次のように語った。
「ナンセンスだよ」
「この点に関しては、我々がフェラーリと大きく異なる立場にあるとは思っていないよ」
「とりわけ、私はカルロス・サインツがすでに何度もクルマをクラッシュさせたことが彼らにどんな影響を及ぼしているのか疑問に思っているよ。あれが安くすむはずがないからね」
■段階的にマシン軽量化を達成していくとマルコ
ともあれ、フェラーリは今週末のスペインGPには、今季初めて大幅な改良を加え、これまでよりも3キログラムほどの軽量化を図ったマシンを投入する計画だと言われている。
そして、レッドブルももちろん指をくわえてライバルの開発の様子を見守るだけのためにスペインに行くつもりはないようだ。
レッドブルの現在の課題のひとつは、今季の技術レギュレーションで定められているマシンの最低重量798キログラムに少しでも近づけることだ。少し前の情報によれば、レッドブルの2022年型マシンは10キログラムほどそれをオーバーしているようだと考えられている。
「我々は常に軽量化を達成できるようなアップデートを計画しているよ」
「残念ながら、まだ最低重量には達していない。次のアップデートまでは成功しないだろうね」
そう語り、段階的にマシンを改善していく計画を進めているとしたマルコだが、そのための予算配分はうまくやっており、これまでも金をかけ過ぎてはいないと次のように付け加えている。
「我々は使い過ぎたとは思っていないよ。輸送コストが増えたのは事実だし、それは問題だ。だが、それは我々だけでなく、フェラーリやほかのチームにも当てはまることだ」。