2022年F1シーズンには思わぬ苦戦を強いられているメルセデスだが、親会社であるメルセデス・ベンツ・グループAGのオラ・シャレニウスCEOが、自分たちはこれからもF1活動を継続していくと主張した。
■予想外の苦戦を強いられている2022年のメルセデス
メルセデスF1チームを率いるチームCEO兼代表のトト・ヴォルフは、現在フェラーリやレッドブルの後塵を拝している状況は非常に苦痛であるとともに“退屈”であるとも語っており、なんとかこの局面を打開すべく、来週末にバルセロナで行われる第6戦スペインGP(22日決勝)では改良を施したマシンを投入する準備を進めている。
しかし、2014年から昨年まで8年連続でF1コンストラクターズタイトルを独占し続けてきたメルセデスが、まだ5戦が終わった段階とは言え、すでにランキングトップのフェラーリからは62ポイント、ランキング2番手のレッドブルにも56ポイント差をつけられて3番手にとどまっている。
さらに、今シーズンに通算8度目となるF1ドライバーズタイトル獲得がかかっているルイス・ハミルトン(メルセデス)は、ランキングトップのシャルル・ルクレール(フェラーリ)から68ポイント差の6番手に沈んでおり、今年のタイトル獲得はかなり困難だと考えざるをえない状況となっている。
■脱炭素を目指す上でF1は重要な存在
しかし、こうした中、メルセデス・ベンツ・グループを率いるスウェーデン出身のシャレニウスは、2026年にはより環境に優しい新たなF1エンジンレギュレーションへの移行が控えていることもあり、今後もF1活動を継続していくつもりだと次のように語った。
「我々は脱炭素への道を歩むことを決断している。これが我々にできる唯一の決断であり、それはF1も同じだ」
「次のエンジンレギュレーションでは電動部分がより重要視となり、F1をCO2ニュートラルにすることが明確に約束されている」
「バッテリー技術はまだ完全なものとはなっていない。しかし、CO2フリーを実現し、電化に重点を置くことで、F1はこれからも非常に重要な存在であり続けるし、我々もここにとどまるつもりだ」
■『Netflix』がF1の流れを変えている
シャレニウスは、リバティ・メディアによる買収以来、F1が向かおうとしている方向性を評価しており、物議を醸した『Netflix』のF1ドキュメンタリーシリーズである『Drive to Survive(ドライブ・トゥ・サバイブ/邦題:栄光のグランプリ)』も前向きにとらえているようだ。
「『Drive to Survive』が流れを変えたんだ。だから、我々はこの番組に参加し、F1の強みの1つとなり、我々の技術開発とマーケティングの両方に活用できることをうれしく思っている」
そう語った52歳のシャレニウスは次のように付け加えた。
「我々からすれば、F1には明るい未来が待っているよ」。