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アンドレッティのF1参戦は実現できるのか?半数のF1チームが抵抗との報道

2022年05月12日(木)21:35 pm

マイケル・アンドレッティがF1に新規参入できるかどうかは、微妙な状況のようだ。

現在インディカー・シリーズなどに参戦しているアンドレッティ・オートスポーツの代表を務める59歳のアンドレッティは、1993年にアイルトン・セナのチームメートとしてマクラーレンからF1参戦した経験を持つ元F1ドライバーでもある。

そのアンドレッティは、F1参戦を目指して昨年はスイスに拠点を構えるザウバー(アルファロメオ)の買収に動いていた。しかし、これに失敗したことを受けて、自分のチームを立ち上げてF1に参戦する方針に変更。すでに統括団体であるFIA(国際自動車連盟)に正式に参戦申請を行っている。

そして、F1マイアミGPが初開催された先週末のマイアミ・インターナショナル・オートドロームにおいて既存のF1チーム代表者たちと話をしたアンドレッティだが、そこで予想以上に抵抗があることを感じたようだ。

■F1オーナーやFIAも消極的

2024年からのF1参戦を目指していると伝えられているアンドレッティだが、その前に立ちはだかるハードルのひとつが、F1オーナーであるアメリカのリバティ・メディアだ。

リバティ・メディアのグレッグ・マッフェイCEOは、『ブルームバーグ』のイベントにおいてアンドレッティのような新チームにピットレーンを開放する可能性について質問された際、「緊急の必要性はないと思う」と答えている。

さらに、モハメド・ベン・スレイエム新会長が率いるFIAもアンドレッティの新規加入に関してはあまり歓迎していないようだと言われている。

■アンドレッティ「できれば8月に」

マイアミでベン・スレイエムともミーティングを行ったアンドレッティは、「うまくいったよ」と語りつつも次のように付け加えた。

「彼は支持してくれていると思うよ。だが、それには大きなプロセスがあるんだ。しばらくは答えを得られないだろう。9月か10月までかかるかもしれないね」

しかし、アンドレッティはその間にも新しいスタッフを雇用し、インディアナポリスにF1ファクトリーを建設する計画を進めるつもりであり、「できれば8月に」開始する予定にしているという。

■最大のハードルは既存のF1チームたち

だが、アンドレッティのF1参入に最も抵抗しているのは、リバティ・メディアやFIAではなく、F1チームたちのようだ。

現在唯一のアメリカンF1チームであるハースでチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーは次のように語った。

「現時点では、堅実な10チームでやることが良い解決策だと思う」

「我々チームとしては、これ以上は必要ないよ」

シュタイナーが11番目のF1チーム誕生に抵抗するのは無理からぬことだろう。現在F1チームたちはF1の収入の中から成績に応じて報酬が配分されることになっている。つまり、F1としての収入が大幅に増えるというようなことがなければ、アンドレッティが参戦することによってこれまで10チームで分け合っていた報酬を11チームで分け合わなくてはならなくなる。それはつまり自分たちの取り分が減ってしまうことを意味するのだ。

■アンドレッティ参戦を支持するF1チームは約半数

アンドレッティは、マイアミで10チームすべての代表者を訪ね、F1当局に提出する書類にサインするよう求めたようだ。しかし、噂によれば、その書類にサインしたチームは10チームのうちの半分ほどに過ぎなかったという。

現在マクラーレン・レーシングのCEOを務めるアメリカ出身のザック・ブラウンはこれに関して次のように語っている。

「私は、自動車レースにおいて何をするべきか、何をするべきでないかということについて、非常に自分勝手な考えを持つレースチームがいくつかあってもまったく驚かないよ」

■最終的には「財政的な問題」

また、レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、アンドレッティの参戦立候補をどう扱うか、たとえばほかのチームにどれだけの補償を行うかなどは、リバティ・メディアの判断に委ねられるだろうとほのめかしている。

「それはむしろリバティの人たちの問題だと思うよ。結局のところ、それは純粋に財政的な問題だからね」

マイアミでアンドレッティと話をしたことを認めたホーナーはそう語ると、次のように付け加えた。

「最終的には、権利者が11番目のチームの価値をどう評価するかという問題だよ」。

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