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レッドブルとフェラーリの間に「新たな緊張感」 お互いに相手の開発に疑念を表明

2022年05月11日(水)22:42 pm

2022年のF1タイトルを争っているレッドブルとフェラーリの間に新たな緊張感が生まれてきているようだ。

■フェラーリのタイヤテストに疑惑の目を向けるレッドブル

少し前には、レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が、フェラーリとの戦いは2021年のタイトルを争ったメルセデスとの戦いに比べればずっとフェアなものだと語っていた。

だが、第4戦エミリア・ロマーニャGP後にイモラ・サーキットで行われたピレリのタイヤテストにおいて、フェラーリが本来使用してはならないフロアが施されたマシンを走らせていたようだという疑惑が生じたのだ。

F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は、フェラーリには特に問題はなかったとの判断を行ったものの、レッドブル陣営は納得していないようだ。

「午前と午後では明らかに違っていたし、新しいコンポーネントを使っているように見えた」

そのタイヤテストでのフェラーリF1マシンについてそう語ったレッドブルのクリスチャン・ホーナー(チーム代表)は次のように続けた。

「これらのクルマはかなり未熟だし、開発的にもまだ非常に初期の段階にある。だから、我々が確実に避けたいと望んでいるのは、タイヤテストが空力や性能の開発テストにならないことだ」

ホーナーは、FIAの判断はともかく、この問題に関しては今後も無視するわけにはいかないとしている。

■レッドブルの開発予算に疑念を持つフェラーリ

一方、レッドブルから疑惑の目を向けられたフェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットは、レッドブルの2022年型F1マシンがルールに則って開発されていくのかどうかを見守るつもりだと語っている。

「ある時点で、彼らは開発をやめなければならなくなると思っている。そうでなければ、彼らはどうやって予算内でそれができているのかを説明できないだろう」

ビノットが言及したのは、今年は1億4,000万ドル(現在のレートで約182億円)と定められているバジェットキャップ(チーム予算上限値)のことだ。F1チームはこれを超える金額を今年のF1チーム運営に注ぎ込むことは禁止されており、シーズン中の開発に無尽蔵に金を注ぎ込むことはできなくなっている。

ビノットは、レッドブルは今シーズン序盤にすでにかなりの予算を使ってマシンの開発を進めていると考えており、どこかの時点でレッドブルの勢いが止まるだろうと予想しているようだ。

実際のところ、今季序盤の3レースでは明らかにフェラーリF1マシンのパフォーマンスがレッドブルを上回っていた。

しかし、第4戦エミリア・ロマーニャGPと、先週末に行われた第5戦マイアミGPでは、レッドブルがフェラーリのパフォーマンスに追い付き、追い越した感がある。

■スペインGPで形勢逆転を狙うフェラーリ

もちろん、フェラーリもバルセロナ・カタルーニャ・サーキットで行われる次戦スペインGP(22日決勝)では反撃に出る用意をしている。

フェラーリの母国イタリアのメディアによると、バルセロナに持ち込まれるフェラーリF1マシンの大きな変更点は新しいサイドポッドだという。それにより空気抵抗が小さくなり、フェラーリがストレートスピードにおいてもレッドブルと互角以上に戦えるようになると期待されているようだ。

さらに、バルセロナでお目見えするバージョンアップされたフェラーリF1マシンは、これまでより約2キログラムの軽量化が達成されたものになると考えられている。

「我々は一連の技術的なアップデートをスペインに持ち込むつもりだ」

イタリアの『La Repubblica(レプブリカ)』にそう語ったビノットは次のように続けている。

「それは重要なパッケージになるだろうが、今シーズンにおいて最も重要なものというわけではない」

「そして、これから長く続くことになるだろう技術的な戦いにおいて、違いを生むのはたったひとつの開発ではないんだ」

■レッドブルの課題は信頼性問題の解決

一方、レッドブルの当面の主な課題は信頼性の向上だ。マイアミではマックス・フェルスタッペンのマシンにトラブルが発生し、フリー走行を満足に走れなかった状況で予選と決勝に臨むしかないという状況となっていた。

さらに、決勝ではセルジオ・ペレスのマシンにもトラブルが発生し、それによりペレスが表彰台を獲得するチャンスを逃したと考えられている。そのペレスによれば、レッドブルでは「毎回新たな信頼性の問題が見つかっている」という。

マックス・フェルスタッペンの父親である元F1ドライバーのヨス・フェルスタッペンも、レッドブルは早急に信頼性問題を解決する必要があると次のように主張している。

「もしも信頼性で失敗することがなければ、全てはシーズン中のマシン開発と、それらの新しいパーツの効果によって決まるだろう」。

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