かつてウィリアムズやトヨタで活躍した元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、今シーズンの途中でウィリアムズがドライバーを変更する可能性が高いと考えている。
■不調のラティフィにはシート喪失の噂
現在、ウィリアムズはカナダ人ドライバーのニコラス・ラティフィと、イギリス生まれのタイ国籍ドライバーであるアレクサンダー・アルボンのコンビで戦っている。
だが、3年目のF1シーズンを迎えているラティフィは今年もいまだにポイントを獲得することができず、現時点ではドライバーズランキング最下位に位置している。
しかも、ここまでに行われた4レースでは、今年2年ぶりにF1復帰したチームメートのアレクサンダー・アルボンに予選、決勝を通じて一度も勝つことができていないばかりか、ミスの多さも目立っている。
カナダ有数の実業家を父に持つラティフィは多額のスポンサーマネーをウィリアムズに持ち込んでいると考えられているものの、F1関係者の間ではウィリアムズがラティフィとの契約を解除して、ほかのドライバーをそのシートに座らせるのではないかとの噂もささやかれるようになっている。
■アルボンとラティフィの差はものすごく大きい
ウィリアムズのチーム代表を務めるヨースト・カピートはそうした噂を否定しているものの、ラルフ・シューマッハは、ウィリアムズがラティフィに満足していないのは間違いないと考えているようだ。
「ウィリアムズの投資家は2人の強力なドライバーをマシンに乗せることを望んでいるんだ」
母国ドイツの『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』にそう語ったラルフ・シューマッハは次のように付け加えた。
「アルボンは素晴らしい仕事をしているし、ラティフィとの差はものすごく大きいよ」
7度F1王座に就いたミハエル・シューマッハを兄に持つラルフ・シューマッハによれば、26歳のラティフィに注目が集まることがあるとすれば、それは“事故”を起こしたときだけだという。
■ラティフィの後任にふさわしいのはオスカー・ピアストリ?
それゆえ、噂されているドライバー交代は遅かれ早かれ実現する可能性があるとラルフ・シューマッハは考えている。
「現在、F1ではエキサイティングなことがたくさん起きている。そして、そのうちのひとつが今年のドライバー交代かもしれないよ」
そう語ったラルフ・シューマッハは、自分の一押しは、オーストラリア出身の若手ドライバーであるオスカー・ピアストリだと次のように付け加えている。
「ピアストリは完璧な選択だろう。もし彼ではだめだというなら、ほかに誰がいるんだい?」
2021年のF2チャンピオンである21歳のピアストリは、今年はアルピーヌのリザーブドライバーを務めている。だが、伝えられるところによれば、アルピーヌではピアストリにF1を経験させるために、ほかのチームに貸し出す用意があることを示唆しているという。