ハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーが、2年目のF1シーズンを迎えているミック・シューマッハは、まだF1マシンでの走りに適応しようとしている段階にあると示唆した。
7度F1王座に就いたミハエル・シューマッハを父に持つ23歳のミック・シューマッハは、今年は2年ぶりにF1復帰を果たしたケビン・マグヌッセンを新たなチームメートに迎えている。
昨年は同時にF1デビューを飾ったチームメートのニキータ・マゼピンをしのぐパフォーマンスを見せていたシューマッハだが、今年は今のところ経験豊富なマグヌッセンのペースについて行くことができていないのが現状であり、それが原因となってか、昨年にはあまり見られなかったようなミスを犯すことも多くなっている。
■シューマッハにはこれまでオーバーテイクするチャンスがなかった
こうした中、シュタイナーはシューマッハの母国ドイツの『Die Welt(ディー・ヴェルト)』に次のように語った。
「ミックは前方でレースをすることを学ばなければならない。中盤の方が接戦になるからね」
「私は彼に言ったんだ。F1では上に行けば行くほど空気が薄くなるんだとね」
レース中のアクシデントを避けるには、少しでも上位で走ることができるようにしなくてはならないと示唆したシュタイナーだが、シューマッハは今後着実に成長し、適応していけるだろうとも考えているようだ。
「オーバーテイクするためにマシンを使うのは、彼には慣れていないことなんだ。昨シーズンはほかのドライバーの後ろを走っていただけだったし、そんなことはほとんどできなかったからね」
そう語ったシュタイナーは次のように付け加えた。
「しかし、彼はもっとうまくなりたいと思っているし、そのために多くの時間を費やしているよ」
■今はまだフェラーリのことは考えるなとゲルハルト・ベルガー
現在はハースのドライバーを務めているものの、シューマッハはフェラーリとの契約下にあり、今季はフェラーリの正式なリザーブドライバーとしても登録されている。
そして、今後のシューマッハのパフォーマンス次第では、近い将来フェラーリF1マシンのステアリングを握ることになる可能性も高いと考えられている。
しかし、かつてフェラーリやマクラーレンで活躍した元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーは、シューマッハは現時点においてはフェラーリドライバーになることを意識せず、まずはマグヌッセンの前に出ることに集中するべきだと考えている。
「もし、彼がすでにフェラーリのステアリングを握ることを考え始めているとしたら、それはものすごく危険なことだよ」
シューマッハの母国ドイツの『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』にそう語った62歳のベルガーは次のように付け加えた。
「まず、彼はハースで成功しなければならない。そして、それはチームメートに勝つということだ」