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苦戦するハミルトンが今季途中でメルセデスを離脱する可能性も?チームメイトのラッセルは全4戦で3〜5位

2022年04月27日(水)5:02 am

7度F1王座についた実績を持つルイス・ハミルトンが2022年にこれほど苦しむことになると予想していた者がいるだろうか?

今年のメルセデスF1マシンの競争力がフェラーリやレッドブルに対して大きく後れをとっているのは事実だが、先週末にF1エミリア・ロマーニャGPが開催されたイモラ・サーキットでのハミルトンは上位争いにも加わることができず、昨年タイトルを争ったライバルであるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に周回遅れにされるという屈辱を味わいながら13位でのフィニッシュとなった。

しかも、ハミルトンは今年からチームメートに迎えた若いジョージ・ラッセルにも現時点では後れをとってしまっている。

ハミルトンは現在ドライバーズランキング7番手に沈んでいるが、ここまでの4戦を4位、5位、3位、4位とつないできた24歳のラッセルは現時点でハミルトンに21ポイント差をつけて4番手に位置している。

■ハミルトンは今年のF1マシンにてこずっているとラルフ・シューマッハ

元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは現在のハミルトンについて母国ドイツの『Sky Deutschland(スカイ・ドイツ)』に次のように語っている。

「彼はなぜラッセルが自分よりずっと速いのか不思議に思っているはずだ」

「彼も、現時点ではラッセルの方がいいドライバーだと認めざるを得ないだろう。今後数週間このような状況が続けば、チーム内もエキサイティングなことになるだろうね。優先度に変化が起こるかもしれないよ」

「だけど、僕はハミルトンが引退のタイミングを逃したと言うつもりはないよ。新しいクルマはドライバーに少し適応することを要求するものだが、ハミルトンはそれに慣れていないんだ」

■ハミルトンは昨シーズンで引退すべきだったとレッドブル首脳

しかし、昨年はメルセデスやハミルトンとサーキット内外で激しいバトルを繰り広げたこともあってか、レッドブル関係者はハミルトンに対して少々辛辣な言葉を投げかけている。

フェルスタッペンの父親であり、マネジメントチームの一員でもある元F1ドライバーのヨス・フェルスタッペンは、イモラでフェルスタッペンがハミルトンを周回遅れにしたことに言及しながら次のようにコメントしている。

「正直に言って、マックスが彼を周回遅れにしたときはうれしかったよ」

また、レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)も次のように語った。

「彼は昨年末にやめるべきだったかもしれないね」

2021年のF1最終戦アブダビGP決勝で不本意な形で8回目のタイトル獲得に失敗したハミルトンは以後しばらく沈黙を貫き、そのままF1を引退するのではないかとの噂もささやかれていた。

結局、今年もF1に留まったハミルトンだが、F1関係者の中には、ただレースで勝てないだけではなく、強いポーポイズ現象(高速走行時にマシンが何度も上下に振動する現象)が発生することでドライバーの身体的負担も大きくなっている今年のメルセデスF1マシンで37歳のハミルトンがフルシーズンを戦うことは難しいのではないかと考えている者もいるようだ。

■ハミルトンの離脱もありえるとジャック・ビルヌーブ

「その疑問は生じてくるだろうね」

オランダの『Formule 1(フォーミュレ1)』にそう語り、ハミルトンがシーズンの途中でメルセデスを離脱する可能性もあると示唆した1997年のF1チャンピオンであるジャック・ビルヌーブは次のように続けた。

「その一方で、メルセデスはこれから負け方を学ぶ必要がある。ジョージ・ラッセルは勝ち目がない中でいい仕事をしている。だが、彼はそれをウィリアムズで学んできたんだ。一方、ハミルトンには常に戦えるマシンがあった」

「イモラでの彼にはアグレッシブさが足りないように見えたし、まるで戦うことすらできないようだった」

「今のメルセデスを率いるのは楽ではないよ」

「トト・ヴォルフ(チーム代表)としては、大スターであり、広告塔であり、そして巨額の報酬を支払う必要がある国際的にも知られた記録破りのチャンピオン(ハミルトン)を選ぶのか、それとも、将来有望な才能(ラッセル)のためのマシンを開発するのかを選択することになる」

「ルイスのようなビッグスターは、勝てば素晴らしいということになるけれど、もしも勝てなければその反動はものすごく大きいものになる。チャンピオンが競争力を失うことは許されないんだ」

そう述べた51歳のビルヌーブは次のように付け加えた。

「我々には過去にも驚かされたことがあったよ。チャンピオンがもう十分だと言うことは以前にもあったんだ」

■2009年の状況に近いものがあるとハミルトン

一方、ハミルトンは、メルセデス2022年型F1マシンの状況は、やはり技術レギュレーションの変更が行われた2009年に不振に陥ったマクラーレンで経験したことに近いものがあると語り、問題は自分自身ではなくF1マシンにあるのだと主張している。

2008年にマクラーレンで自身初のF1ドライバーズタイトルを獲得したハミルトンだが、翌年の2009年はダブルディフューザーという武器を携えたブラウンGPのジェンソン・バトンにタイトルを奪われるとともにセバスチャン・ベッテル(レッドブル)、ルーベンス・バリチェロ(ブラウンGP)、マーク・ウェバー(レッドブル)に次ぐランキング5位に沈んでしまった。

2012年までマクラーレンに在籍したハミルトンだが、2013年にメルセデスに移籍すると、ハイブリッド方式の現行F1エンジンが導入された2014年以降の8シーズンのうち6シーズンでF1チャンピオンに輝いている。

今後、メルセデスが、そしてハミルトンが、今季中に再び勝利を争えるようになるのか? もしそうではなかった場合、ハミルトンが何らかの決断を下す可能性もあるのか? そういった観点からも、もうしばらく様子を見ていく必要がありそうだ。

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