レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)によれば、レッドブルが抱えている信頼性の問題は今週末にイモラ・サーキットで開催される今季のF1第4戦エミリア・ロマーニャGP(24日決勝)までには解決できる可能性があるようだ。
2022年のF1もここまでに3レースが終わっているが、現F1チャンピオンであるレッドブルのマックス・フェルスタッペンはそのうち2レースでマシントラブルによるリタイアを喫しており、現在ランキングトップに位置しているシャルル・ルクレール(フェラーリ)とはすでに46ポイントもの大差がついてしまっている。
レッドブルにとっては、何はともあれ信頼性問題の解決が急務となっているわけだが、マルコは前戦オーストラリアGP決勝で発生したフェルスタッペンのマシントラブルに言及しながら母国オーストリアのテレビ局『ORF』に次のように語った。
「エンジンそのものではなく、燃料供給に問題があったんだ」
「燃料パイプが高圧にさらされて破裂したんだ。それはポーポイズ現象に関係していると考えている」
「ホンダによれば、次のレースまでに問題が解決されることを期待できるようだ」
元F1ドライバーのマルク・スレールは、2021年にレッドブルがメルセデスとのタイトル争いに注力していたことで、2022年型マシンの開発に十分な時間を費やすことができなかったことが現在の信頼性問題のそもそもの原因ではないかと考えている。
「パイプが壊れるということは、部品が弱すぎたのか、それとも適切に設計されていなかったのかのどちらかだ」
『formel1.de』にそう語ったスレールは次のように付け加えた。
「あるいは、これは私がそうではないかと思っていることだが、組み立てがずさんだったということだ」
一方、マルコによれば、今季2回目のリタイアを喫したオーストラリアGP決勝後には明らかに苛立ちを示していたものの、フェルスタッペンは現状にうまく対処しているという。
「彼は自分の過激なドライビングスタイルを維持するためのマシンセットアップにまだ自信を持てないことが時々あるんだ」
78歳のマルコは24歳のオランダ人ドライバーであるフェルスタッペンについてそう語ると、次のように続けた。
「セルジオ・ペレスが以前よりも彼との差を縮めてきているのも確かだ。だが、いずれにせよ、マックスは以前よりもずっと落ち着いているよ」
「リタイアした後、彼はボックスに戻ってきた。そして、我々はあらゆることについて冷静に話し合ったよ」
「だが、もし我々がまたすぐに勝てなければ、彼はまさに時限爆弾だよ」
フェルスタッペンとレッドブルが結んでいる現在の契約は2028年シーズンまでとなっている。しかし、そうした契約には“解除条項”が設けられていることも多く、今後のレッドブルF1マシンのパフォーマンス次第ではフェルスタッペンが契約満期を待たずに離脱する可能性もありそうだ。
ともあれ、今週末のイモラでレッドブルとマックス・フェルスタッペンがフェラーリ勢を相手にどういう戦いを見せることができるかに注目したいところだ。