ロシアのウクライナ侵攻により、突然F1シートを失ったロシア人ドライバーのニキータ・マゼピンだが、オフロードのラリーでモータースポーツのキャリアを継続する可能性があるという。
■ハースF1代表「うまくいかせようと努力したが・・・」
ロシアのウクライナ侵攻が勃発し、ハースが国際的な制裁騒ぎに対応し、タイトルスポンサーである『ウラルカリ』との関係を絶ったことで、マゼピンは突然F1シートを失った。
ハースF1チーム代表であるギュンター・シュタイナーはそのことについて次のように語った。
「侵攻がなかったら、今でもすべてが同じだっただろうね。私たちは、うまくいかせようと本当に努力した。しかし、爆撃や銃撃を受けている人々の写真を見た時、これはうまくいかないと思ったんだ」
■マゼピン親子の財産136億円押収、ラリーを視野に入れるも心はF1に
23歳のマゼピンと億万長者のオリガルヒである父ドミトリーは、イタリア当局に高級リゾート地サルデーニャ島の財産1億ユーロ(約136億円)を押収された。
マゼピンは水曜日に『Ria Novosti通信社』に語った。
「僕のキャリアは一時停止中だ。でも、僕は18年間モータースポーツに関わってきたし、このまま辞めるつもりはない。体調を整え、F1復帰を願っている」
「もしうまくいかなかったら、4輪のレースに関する他の選択肢を考えるつもりだ。砂漠でのレースに興味があるんだ。ダカールも可能だ。シルクウェイラリーもね」
それまでは、西側諸国の制裁下で苦しむ他のロシア人アスリートを支援する新しい財団の活動に「週5日」で「前向き」に取り組んでいるという。
「僕の人生は、たった1カ月で劇的に変わった。それに今年が終わるまでまだ何カ月もある。この先、どれだけのことが起こり、どれだけの変化があるのか、想像できる?」
「だけど僕は自分のキャリアを続けるつもりだ。今のところ、ロシア国内の大会参加を目指しているよ」
「人生には悪いことも、始まりと終わりがあると信じているよ。そして、この悪い局面は必ず終わりが来る。ヘルメットは一つではないから、F1に戻ってくることを望んでいるよ」。