メルセデスF1のトト・ヴォルフ代表は、レッドブルとマックス・フェルスタッペンが今のF1における「ベンチマーク」だと考えている。
■最速はフェラーリではなくレッドブル
フェラーリは、革新的な2022年ルールによる新時代のスタートを切ることができた。しかし、2021年のタイトルをめぐって最後まで激しく戦ったメルセデスのヴォルフは、レッドブルが最高の状況にあると考えているようだ。
「もしレッドブルがまだ減量中なら、彼らがベンチマークになる」と彼は『Kronen Zeitung(クローネン・ツァイトゥング)』に語っている。
また、『De Telegraaf(テレグラーフ)』紙に対し、昨年は「マックスにとって最後のタイトルではない」とも語っている。
「これまでの議論に関係なく、私は彼(フェルスタッペン)を尊敬しているし、彼の父ヨスにも敬意を払っている」とヴォルフは主張した。
■メルセデス、アンダーボディの空力効果を過小評価していた
一方、メルセデスは、2014年から2021年までの旧ルール時代における完全な支配が終わったことを受け入れなければならない。
メルボルンでの戦略はどうなるのかと問われたヴォルフは、こう答えた。
「1秒速くなることを期待せずに、またいくつかのことを試してみるつもりだ」
メルセデスの最大の問題はエンジン、あるいは新しいE10燃料という見方もあるが、ヴォルフは極端な「ポーパシング」の解決に最も力を注いでいると言う。
「我々はアンダーボディの空力効果を過小評価していたので、今は明白なルートを通らずにそれを解決しようとしているんだ」
「最も簡単なのは、フロアをより硬くすることだろう。しかし、そうしなくても空力性能は維持できると考えている」
「超高速はシミュレーターでは試せないので、これはサーキットで学ぶしかない。我々は一歩一歩近づいているが、他の人たちも眠ってるだけではないんだ」
「そして彼らは2月にすでにこの問題を理解していた」
ヴォルフは、ルイス・ハミルトンが2022年のグランプリで1勝もできないかもしれないことについて、「追いつくのは難しい」と認めつつも、認めようとしない。
■ポーパシングはコースでしかテストできない
元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、『Sky Deutschland(スカイ・ドイツ)』に次のように語った。
「彼らが必要とするアップデートは、巨大なものでなければならないだろう」
「そして、その問題はそれをテストすることができないということだ。だから、長い時間がかかるんだ」