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フェラーリ先行の2022年F1シーズン 早くも開発競争が白熱

2022年04月01日(金)5:13 am

ここまでに2レースを終えた2022年のF1だが、これから熾烈な開発競争が繰り広げられることになるのは間違いないだろう。

このスポーツにとってそれは何も珍しいことではない。だが、今年はこれまでとは大きく異なる新技術レギュレーションが導入されており、シーズン中の開発もこれまでと同じようには進まない可能性もある。

さらに、今年は年間1億4000万ドル(約170億円)のバジェットキャップ(チーム予算制限ルール)が設定されており、その予算内で開発を行わなくてはならないという厳しいハードルもある。

シーズン中の開発は予算とにらめっこしながら

フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットは、このバジェットキャップが今季の開発に大きな影響を及ぼすのは確かだと次のように語った。

「いつ改善することができるかという問題ではなく、予算の上限を見ながら、最初の数レースで予算を使い切らないようにすることが重要になるんだ」

「だから、メルボルン(第3戦オーストラリアGP/4月10日決勝)では大きな改善は期待できない。だが、何かを持ち込めるようになり次第、改善していくつもりだよ」

フェラーリがすでにバジェットキャップについて警鐘を鳴らしているのは驚くようなことではないだろう。現時点ではフェラーリが全F1チームの中で最高のパッケージを手にしていると考えられているためだ。

レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)も、「フェラーリはタイヤに関係なく、どんなコンディションでも速い」と認めている。

10kgの軽量化を目指すレッドブル

だが、イモラ・サーキットで行われる第4戦エミリア・ロマーニャGP(4月24日決勝)には、レッドブルも新たなパーツを投入する計画をしており、それによって現時点ではライバルたちよりも重いと考えられている2022年型レッドブルF1マシンの軽量化が実現できるとマルコは示唆している。

「我々のマシンはセットアップがもっと難しいんだ。だが、イモラに向けて新しいパーツを準備しており、それによって車重を減らすことができるだろう」

そう語ったマルコは次のように付け加えた。

「これにより、大幅にラップタイムを向上することができるはずだ」

情報筋によると、レッドブルがエミリア・ロマーニャGP で投入を予定している新パッケージは、現在のものから最大10キログラムの削減が目指されており、そのためにかかる予算は200万ドル(約2億4000万円)以上にもなるという。

疑わしいほど強いフェラーリF1エンジン

また、レッドブルとメルセデスがフェラーリの2022年仕様F1エンジンの優位性を懸念しているのは間違いないだろう。

元F1ドライバーのクリスチャン・ダナーは、母国ドイツのテレビ局『Sport1(シュポルト1)』に次のように語った。

「フェラーリは圧倒的なほど最高のエンジンを持っている」

「以前もそうだったことがある。セバスチャン・ベッテル(現アストンマーティン)がいたころ(2019年)だ。しかし、それは完全にクリーンではなかった」

「今は、また疑いたくなるほどによくなっている。だから、パドックではそれに関する憶測が飛び交っているよ」

メルセデスの課題は「ポーポイズ現象」と「空気抵抗」

一方、今季はエンジンパワーにおいてもライバルメーカーに後れをとっていると考えられているメルセデスだが、今シーズン序盤に出遅れた最大の原因は、高速走行時にマシンが上下に大きく振動する「ポーポイズ現象」を解決できていないことと、リアウイングが大きな空気抵抗を生んでいることにあるとしている。

メルセデスのあるエンジニアは、ジェッダ市街地サーキットで行われた第2戦サウジアラビアGPに言及しながらドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』次のように語っている。

「ジェッダは路面が滑らかだからバウンシング(ポーポイズ現象)は小さいと想定していたんだ」

「何がこの現象の引き金になるのか、まだ完全に理解できていないんだ。現在進行形で学んでいるところだよ」

空気抵抗の問題に関しては、メルセデスは来週末のオーストラリアGPには新しいデザインのリアウイングを持ち込むことになると考えられている。

もちろん、メルセデスのチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、できるだけ早期に現在抱えている問題を解決したいと考えている。

「毎週、問題を抱えたままレースに臨むと、残りの開発に支障が出てしまうんだ」

「次のレースまで、決してその遅れを取り戻すことはできない」

そう語ったヴォルフは、次のように付け加えた。

「だが、今日の時点で、夏にはどうなっているかを予測するという罠にはまってはならないんだ」

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