先週末に行われたF1開幕戦バーレーンGPで、マックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスがいずれもマシントラブルでリタイアで終わるという最悪の形で2022年シーズンをスタートしたレッドブルだが、実際のところ、そのトラブルが具体的にどういうものだったのかはまだ明らかにされていない。
これまでの報道によれば、燃料システム関連のトラブルが疑われているようだが、かつてレッドブルに所属していたことがある元F1ドライバーであるクリスチャン・クリエンは、レッドブルは今週末にジェッダ市街地サーキットで行われる第2戦サウジアラビアGP(27日決勝)までにはその問題は解決されるだろうと考えている。
「ジェッダの前の数日間で、チームは真相を突き止めるだろう」
母国オーストリアの『Servus TV(セアヴスTV)』にそう語ったクリエンは次のように付け加えた。
「エンジンの故障ではなく、2台ともいわゆるリフトポンプに同じ問題を抱えたんだ。それは、正しい圧力を発生させるポンプで、そこから本当のポンプに行くのだが、そこのどこかに問題があったんだ」
しかし、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、それとは少し異なる説明を行っている。
「簡単に言うと、燃料供給システムの中が真空になり、そのためにエンジンに燃料がまったく供給されなくなったんだ」
ドイツのテレビ局『Sport1(シュポルト1)』にそう語った78歳のマルコは次のように付け加えた。
「今週末のサウジアラビアではその問題を解決できると思っているよ」
メディアの中には、レッドブルが2台のマシンに搭載する燃料量の計算を間違えたのではないかと推測しているものもある。
だが、マルコは、バーレーンでは2台のマシンに十分な燃料が搭載されていたのは間違いないと次のように主張している。
「正確な数字は言わないが、2台のタンクにはまだ十分なガソリンが残っていたよ」
マルコはさらに、レッドブルがこの燃料問題を解決できれば、フェラーリがこのまま逃げ切ってしまうというような心配は無用だと次のように続けた。
「基本的に、我々は十分に速かった。ただ、決定的な瞬間に我々のポテンシャルをうまく利用できなかっただけなんだ」
「サウジアラビアではまた戦列復帰し、勝利のために戦うよ」
一方、クリエンは、2014年から2021年まで8年連続でコンストラクターズチャンピオンとなったメルセデスも、現時点ではライバルたちと大きく異なるコンセプトを導入した2022年型マシンが苦戦を強いられているものの、決して慌てる必要はないと考えている。
「まったく違うコンセプトのマシンがあるのはいいことだと私は思うよ」
そう語った39歳のクリエンは次のように付け加えた。
「メルセデスは問題を抱えているが、それはサイドポッドに起因するものではないよ。しかし、これからチームたちがライバルの解決策をコピーし始めるだろうし、今後数週間から数か月でその結果を目にすることになると思うよ」