フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)が、新技術レギュレーションによりグラウンドエフェクト効果が与えられた2022年型F1マシンでもオーバーテイクはそれほど簡単ではないと語った。
2021年にアルピーヌから3年ぶりにF1復帰したアロンソは、これまでとは大きく異なる技術レギュレーションが導入される2022年シーズンに大きな期待を抱いていた。
だが、先週末に行われた開幕戦バーレーンGPを振り返りながら、アロンソは次のように語った。
「ほかのマシンについて行くのは簡単になったよ」
「だけど、オーバーテイクはテレビで見るほどには簡単じゃないよ」
「通常、追い越しをしたマシンは2秒以上速いペースがあり、タイヤも新しいんだ。僕も2秒速いときにはほかのマシンをオーバーテイクしたし、僕より速いほかのマシンもいくつかのコーナーで僕をオーバーテイクしたよ」
今年のF1マシンでも相手よりもかなり速度差がある場合でないとなかなかオーバーテイクはできないと示唆した40歳のアロンソは、取材記者たちに向かって次のように続けた。
「もっとレースを重ねる必要があるよ」
「1レースが終わったところで結論を書きたくなるのはわかるし、それが君たちの仕事でもある。でも、まだ辛抱が必要だよ」
アロンソはまた、F1ドライバーもファンも、非常に扱いにくくなった新世代マシンに適応していく必要があると主張している。
「車重が60キロも重くなると、すべてがスローモーションのようになるんだ。2年前にR25(2005年型マシン)でエキシビションを行ったとき、テレビではとても速く見えた。だけど、それはとても軽くて反応性がよかったからだ」
「車重が重くなると、テレビではスピード感がなくなってしまうんだ」
「でも、(ロマン)グロージャンの事故の後、コックピットが強化されたし、今のエンジンはより持続性のある燃料を使っている」
「おそらく、数か月後には、旧世代のマシンを思い出すことはなくなるだろうね」
一方、かつてジャガーやレッドブルで走った経験を持つ元F1ドライバーのクリスチャン・クリエンは、2022年型F1マシンによってF1がこれまでよりも面白くなるのは間違いないと考えているようだ。
「またドライビングミスが増えているのがわかる。今のマシンは明らかに運転が難しくなっているよ」
母国オーストリアの『Servus TV(セアヴスTV)』にそう語ったクリエンは次のように付け加えた。
「コーナーの立ち上がりで加速するときに1回か2回スライドしているのを目にするし、それが後続車にチャンスを与えているんだ。これまでのところ、私はとても気に入っているよ」
F1最高責任者のステファノ・ドメニカリも、新時代のF1のスタートには満足しているようだ。
「再び技術的な挑戦が中心になっている」
「人々はすべてのマシンが同じようになるのではないかと心配していた。だが、私が1991年にF1に来て以来、これほどの多様性を目にしたことはなかったよ」
かつてフェラーリのチーム代表を務めていたドメニカリは、『Sky Italia(スカイ・イタリア)』にそう語ると、次のように付け加えた。
「私は、昨年のアブダビ(最終戦)で目にしたのと同じような緊張感のある選手権が見られると信じている。すでに最初レースでは数え切れないほどのオーバーテイクがあったよ」