2022年F1シーズンにはハースが中団グループのトップ争いに加わってくるかもしれない。
新たな技術レギュレーションが導入されて迎える最初のシーズンとなる今年は、現時点ではF1チームの力関係がどのように変化するのか、まだその様相がはっきりと見えてきているわけではない。
しかし、昨年までメルセデスやレッドブルに大きな差をつけられていたフェラーリに復調の兆しが見えている中、このビッグ3チームがライバルたちよりも抜きん出た存在となるのは間違いないと考えている者が多い。
昨年、フェラーリとコンストラクターズ3位争いを繰り広げ、惜しくも敗れて4位となったマクラーレンだが、チーム代表のアンドレアス・ザイドルは、今年はビッグ3チームと戦えるほどの力が自分たちにあるかどうかはわからないと次のように語った。
「我々が実際にどういう位置にいるのかはわからないよ。4番手にいるかもしれないし、そうではないかもしれない」
マクラーレンは先週バーレーンで行われたプレシーズンテストでブレーキに問題を抱えていることが明らかとなっており、その不安を抱えながら今週末の開幕戦バーレーンGP(20日決勝)を迎えることになっている。
さらに、マクラーレンが警戒しているのは、強力なフェラーリエンジンを搭載するハースが予想外とも言える強力なパッケージを持ち込んでいることだ。
貨物便が遅れるというトラブルに巻き込まれたハースは、バーレーンテストの開始がライバルチームたちよりも遅れてしまったことから、2日目と3日目のテストでは時間を延長することが認められていた。
そして、その延長時間帯に、2日目の11日(金)には急遽ニキータ・マゼピンの後任として2年ぶりにチームに復帰したケビン・マグヌッセンがトップタイムを刻むと、3日目の12日(土)にはチームメートのミック・シューマッハがマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に次ぐ全体で2番手となるタイムをマークしてみせている。
そのハースの不安も信頼性であることは確かで、バーレーンテストでもたびたびこの問題に苦しめられていた。
ハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーは次のように語っている。
「もしテスト最終日がグランプリだったなら、我々は3回リタイアしていただろうね」
しかし、マクラーレンのランド・ノリスは、純粋なスピードという観点からはハースを警戒すべきだと考えているようだ。
「現時点では、3チームがほかのチームよりも速そうだけど、あとはマクラーレンからハースまで、それほど大きな差はないと思うよ」
2021年のコンストラクターズ4位だったマクラーレンと最下位だったハースに言及しながらそう語ったノリスは次のように付け加えた。
「ハースは実際のところすごくよく見えた。昨年はあれだけ遅れをとっていたから大きな驚きだよ。僕たちも予選と決勝の両方で彼らと戦う準備をしておくべきだと思っている」
ハースで2年目のF1シーズンを迎えることになるミック・シューマッハも、今年のハースF1マシンは昨年よりもかなりよくなっていると母国ドイツのテレビ局『RTL』に次のようにコメントしている。
「(バーレーンテストでは)望んでいたほどには走らせていないんだ。だけど、大事なのは僕たちが速いのか、そうではないのかってことだよ。そして、僕たちは速いよ!」