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【ハース】ロシアとの“完全決別”が濃厚。マゼピンの後任ドライバーは誰に?

2022年03月04日(金)17:30 pm

元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、アメリカに本部を置くハースF1チームはロシアとの関係を完全に絶つべきだと考えている。

FIA(F1統括団体の国際自動車連盟)は、ロシア国籍を持つドライバーであっても、中立な立場としてであればレースに参加することを認めるという判断を示している。

だが、イギリスのモータースポーツ統括団体は、シルバーストン・サーキットで開催されるF1イギリスGPにロシア人ドライバーが出走することを認めないと発表。そして、オーストラリアのモータースポーツ統括団体である『Motorsport Australia(モータースポーツ・オーストラリア)』もイギリスと同様の対応をとる方向で検討中だという。

『Motorsport Australia(モータースポーツ・オーストラリア)』の広報担当者は次のように語っている。

「この件に関しては、連邦当局およびオーストラリア・グランプリ・コーポレーション(F1オーストラリアGPのプロモーター)と相談しながら、検討しているところだ」

一方、2022年のF1ロシアGPはキャンセルとなっていたが、その後、F1がロシアGPのプロモーターと結んでいた開催契約を破棄したことも明らかとなっている。

「それは、ロシアでは将来にわたってレースが行われないことを意味する」とF1は説明している。

こうした中、ロシアの化学肥料会社『ウラルカリ』がタイトルスポンサーを務めているハースが、今後どのような判断を行うのかに注目が集まっている。

ウラルカリのオーナーであるドミトリー・マゼピンはロシア大統領のウラジーミル・プーチンと太いパイプを持っていると言われており、現在の世界情勢を考えれば、このままハースがウラルカリとの関係を維持することはないと考える方が自然だろう。

そうなれば、ウラルカリの支援を受けているドミトリー・マゼピンの息子であるニキータ・マゼピンがチームに残留する可能性もなくなるということだ。

実際のところ、伝えられるところによれば、ハースは来週バーレーンで行われる今年2回目のF1プレシーズンテストにはマゼピンではなく、リザーブドライバーを務めているブラジル人ドライバーのピエトロ・フィッティパルディを起用する方向で準備を進めているものと考えられている。

ハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーも、もしもマゼピンを起用することが難しくなれば、その最も有力な後任候補はフィッティパルディだと語っている。

一方、フェラーリの支援を受け、昨年までアルファロメオで走っていたイタリア人ドライバーのアントニオ・ジョビナッツィにもハースのシートを獲得するチャンスがあると考えられている。

最近フェラーリとの関係強化を進めてきているハースだけに、現在所属しているミック・シューマッハ同様、フェラーリの支配下にあるジョビナッツィを起用するのは合理的な選択だろうと考えられている。

今年はフォーミュラEにフル参戦しているジョビナッツィだが、現在所属しているドラゴン・ペンスキー・オートスポーツとの契約には解除条項が含まれていると言われており、ジョビナッツィのハース移籍には問題がないと考えられているようだ。

だが、ハースがこれらの点を明らかにするためにはもう少し時間が必要なようだ。ハースの広報担当者はドイツのテレビ局『RTL』に次のように語っている。

「我々は声明もコメントも発表していない。もし、誰かが何かを報道したとしても、それは単なる憶測に過ぎない」

ともあれ、ラルフ・シューマッハは母国ドイツの『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』に対し、ハースはロシアとの“完全な分離”をすぐに進めるべきだと次のように語っている。

「ひとつにはこのような外圧がある。そして、ハースはアメリカのチームでもある」

「ギュンター・シュタイナーは、チームは財政的に堅実だと言っているし、すぐに1つか2つスポンサーがつくことも想像できるよ」

そう語ったラルフ・シューマッハは、昨年はコンストラクターズランキング最下位に終わったハースについて次のように付け加えた。

「このチームは差を縮めていくことができると私は思っているよ」

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