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「ロシア国籍を理由にマゼピンを排除する理由はない」とレッドブル首脳

2022年03月02日(水)18:00 pm

レッドブルのヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が、ロシア人ドライバーのニキータ・マゼピン(ハース)が今後もレースに出走することができるとしたFIA(F1統括団体の国際自動車連盟)の判断を支持した。

ロシアとウクライナの紛争への対処を議論するために世界モータースポーツ評議会の臨時会合が1日(火)に開催されたが、FIAは現在の国際的な流れに逆らい、ロシア出身ドライバーのレース続行を認めることを明らかにした。

これに関して、マルコはこの決定を支持すると次のように語った。

「もしマゼピンが(スポンサーの)ウラルカリによる財政支援がなくてもチームにとどまることができるのであれば、私の意見だが、国籍を理由として彼を排除する必要はないと思うよ」

「メドベージェフもテニスの国際大会から追い出されてはいないしね」

ロシア出身のテニス選手であり、先頃世界ランキングトップに立つことが明らかとなったダニール・メドベージェフの名前をあげながらそう語ったマルコは次のように付け加えた。

「問題はロシアの資金なんだ」

FIAは、ロシア出身ドライバーのF1出走を禁止することはなかったものの、今後はロシア国旗やロシアのイメージカラーを使用することは禁止されることになる。また、2022年の第17戦として組み込まれていたロシアGP(9月25日決勝)が正式にキャンセルされることも明らかとなっている。

FIAは、ロシアのスポンサーを禁止するとはしていないものの、実際のところ世界各国がロシアをSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除する方向で動いていることから、ロシアのスポンサーからの送金を受けることができなくなるため、事実上ロシアのスポンサーとの契約を維持する意味はなくなることになる。

マルコはこのことに言及しながら、次のように続けた。

「決済取引を制限する措置がとられることで、これ以上の資金調達は全く不可能になる」

「それで自ずと解決することになると私は思うよ」

こうしたことから、ハースはタイトルスポンサーを務めているロシアの化学肥料会社であるウラルカリと決別することになると考えられている。実際のところ、先週バルセロナで行われたプレシーズンテスト3日目には、ハースはそのF1マシンからウラルカリのロゴをはずすとともに、ロシアンカラーである青と赤も消して真っ白のマシンで走行していた

これに関して質問を受けたハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーは、「現時点ではノーコメントだ」と答えるにとどまっている。

こうした中、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、ウラジーミル・プーチンとは浅からぬ関係があると言われているマゼピンの父親ドミトリーが率いるウラルカリは「すでに資金の一部が流れている」ことから、今のところ安全だろうと報じている。

しかし、伝えられるところによれば、ドミトリー・マゼピンは、これまでF2チームであるハイテックの株式を有していたものの、これをすでに売却したという。

さらに、ドイツの『Bild(ビルト)』紙は、たとえハースがマゼピンをそのまま起用し続けたいと考えたとしても、今後ロシア人のマゼピンにはビザの取得が難しくなることが考えられ、今年のF1カレンダーに組み込まれているすべてのレースに赴くのは困難になるだろうと予想している。

FIAがロシア出身ドライバーの出走を認めたものの、マゼピンが今季ずっとハースから出走できるかどうかは、いまだ不透明な状況であるのは間違いないようだ。

ハースは、この問題について、今週中に何らかの結論を出す予定にしていると伝えられている。

一方、フェラーリにもロシアのスポンサーが付いている。モスクワに本部を置くセキュリティー会社『カスペルスキー』だ。

だが、フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットは、これに関しては影響などないと次のように主張している。

「カスペルスキーはグローバル企業だからね」

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