今年もF1タイトルをかけたバトルを演じることになると考えられているルイス・ハミルトン(メルセデス)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)だが、今年になってからは、まだ両者が会話を交わすような状況は生まれていないようだ。
この2人が最後に目を合わせたのは、昨年のF1最終戦アブダビGP決勝でフェルスタッペンが劇的な形で初のドライバーズタイトル獲得を決めた直後に、ハミルトンがそれを祝福するためにフェルスタッペンに歩み寄ったときだった。
その後、長く沈黙を貫いていたハミルトンだが、メルセデスの2022年型マシンの発表イベントに姿を現し、噂されていたようなF1引退がないことをアピール。そして、23日(水)にはスペインのバルセロナで始まった今年最初のF1プレシーズンテストに臨み、メルセデス2022年型F1マシンのステアリングを握っている。
その際、ハミルトンは一瞬だけレッドブルのガレージの外に姿を見せたものの、実際にフェルスタッペンと会話を交わすようなことはなかったようだ。
「ピットレーンで彼とばったり会うようなことはなかったけれど、彼がガレージから走り出すのは目にしたよ」
「多分、今週はこれくらいまでじゃないかな」
こうした中、レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、今年も24歳のフェルスタッペンが37歳のハミルトンに強いプレッシャーをかけていくことになると考えている。そして、マルコはハミルトンは単にフェルスタッペンと戦うだけでなく、自分の年齢とも戦うことになるだろうと示唆している。
母国オーストリアの『Osterreich(エステルライヒ)』紙に、ハミルトンは昨年シーズン後半には素晴らしいパフォーマンスを見せていたと認めつつ、次のように続けた。
「だが、彼がこのレベルでのドライビングをずっと続けられるとは思えないね。彼は今ピークを迎えているし、年齢が問題になり始めているよ」
そのハミルトンは、バルセロナでのプレシーズンテスト初日には50周を周回し、全体で5番手のタイムをマークしている。
一方、フェルスタッペンはタイムこそ9番手だったが、全ドライバーの中で最多となる147周を消化しており、レッドブルの2022年型マシンの信頼性に大きな問題がないことを印象づけている。
しかし、セッション序盤にはフェルスタッペンがコースをはずれ、グラベルに突っ込んでしまうという光景も見られたようだ。
このことについて質問されたマルコは、微笑みを浮かべながら次のように答えている。
「問題はないよ。我々の(マシンの)フロアは頑丈だからね」