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ここまでのところ「ルールの抜け穴を見つけたF1マシンはない」とFIA技術責任者

2022年02月19日(土)11:45 am

F1首脳部やF1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は、2022年F1シーズンに新たな“ダブルディフューザー問題”が起こる可能性はないと考えているようだ。

2009年にもそれまでとは大きく変わる新たな技術レギュレーションが導入されたが、その前年限りで突然F1を撤退したホンダのチームを引き継いだロス・ブラウン(現F1モータースポーツ担当マネジングディレクター)が考案した独創的な“ダブルディフューザー”によってブラウンGPが優れたパフォーマンスを発揮。最終的にはその年のドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルを独占している。

そして、そのダブルディフューザーは、その年の空力レギュレーションの抜け穴をうまく見つけたものだったと言われている。

今年はそのときよりもさらに抜本的な技術ルール改正が行われているが、2009年と同様にレギュレーションの大きな抜け道が発見される危険性もあると考えている者も少なくないようだ。

しかし、現在FIAの技術責任者を務めているニコラス・トンバジスは、これまでに発表された2022年型F1マシンを見る限り「不快な驚き」はなかったと次のように語っている。

「これまでさまざまな解決策を見てきたが、ダブルディフューザーに匹敵するものはなかったと断言できるよ」

また、現在はF1首脳部の一員として各F1チームの動きを見ているブラウンも次のように語っている。

「ここまでのところ、そういう抜け穴のようなものは何も目にしていないよ」

「ライバルたちよりはるかにいい仕事をすることができる範囲はかなり小さくなっているんだ」

しかし、その一方でF1チームのエンジニアたちからは、2022年の技術レギュレーションはあまりにも制約が多すぎるという不満の声も聞こえてきている。

だが、かつてフェラーリの設計責任者を務めていたこともあるギリシャ出身エンジニアのトンバジスは、微笑みを浮かべながら次のように語った。

「エンジニアたちは常に文句を言うものさ」

「特定の分野ではまだ自由にやることを許しているよ。サイドポッドもそのひとつだ」

17日(木)に発表されたフェラーリの2022年型マシンのサイドポッド部分にほかのチームとは異なる特徴が見られるが、トンバジスは、もしそのフェラーリの手法が成功だったとわかればほかのチームもすぐにそれを応用して追い付いてくるはずだと次のように指摘している。

「表面はそれほど複雑ではないし、フロントとリアの空力的な相互作用もそれほど極端ではないので、ほかのソリューションをコピーするのは簡単なはずだ」

一方、ブラウンは、2022年型F1マシンの外観も満足のいくものになったと考えている。

「あのハイアングルのクルマは、ちょっとばかげて見えたよ。なんだか、ノーズに座ってお尻を宙に浮かせているような感じだったからね。あれはレーシングカーのあるべき姿ではないよ」

ハイレーキ(前後の傾斜角が大きい)な形状を持つものが多くなっていた昨年までのF1マシンに言及しながらそう語った67歳のブラウンは次のように付け加えた。

「新しいマシンは、コース上ではより一層美しく見えると思うし、チーム間で違いがあるのも素晴らしいことだ。どのクルマも同じようになるだろうと言う人もいたが、我々はそうは考えていなかった。そして、我々は正しかったよ」

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