2022年2月17日、BWTアルピーヌF1チームは、元アストンマーティンF1代表だったオットマー・サフナウアーをチーム代表として、ブルーノ・ファミンをエグゼクティブディレクターとして迎え、共にアルピーヌCEOローラン・ロッシの下で働くことを発表した。
チームが2021年11月に発表していたように、この新組織は、2022年から導入される新しい技術規則に備えて、チームのパフォーマンスを最適化するために設定された。
モータースポーツの経験が豊富で定評のある2人のプロフェッショナルの加入は、ルノー・グループCEOルカ・デ・メオとローラン・ロッシが定義した、新しいレギュレーションの導入から100レース以内にチャンピオンシップを争う、というBWTアルピーヌF1チームの野心を裏付けるものとなる。
また、ダビデ・ブリビオは、アルピーヌ・アカデミーを含むすべてのレースカテゴリーを監督し、若い潜在能力の発掘と育成を統括する。
この3名は、アルピーヌCEOのローラン・ロッシが率いるアルピーヌ経営委員会のメンバーでもある。
■第3期ホンダでも活躍したオットマー・サフナウアー
オットマー・サフナウアーは、33年にわたるモータースポーツでの経験と実績を生かしてチーム全体を管理し、チームのパフォーマンスを最大限発揮することを期待されている。
オットマー・サフナウアーは、フォードでエンジニアとしてキャリアをスタートさせた後、1998年からブリティッシュ・アメリカン・レーシング(BAR)でオペレーション・ディレクターを務めた後、ホンダのF1プログラム担当副社長に就任。チームのポテンシャルを最大限に引き出す才能は、在任中に一貫して証明されている。
フォース・インディアでは、パドックで最も低い予算と従業員数でありながら、コンストラクターズ選手権で最下位だったチームを4位まで導いた。また、レーシングポイントでは、わずか2年目のシーズンで初優勝とコンストラクターズチャンピオンシップ4位に導き、アストンマーティンではF1初表彰台を獲得した。
■エンジン部門を率いるブルーノ・ファミン
ブルーノ・ファミンは、ヴィリー・シャティヨンのアルピーヌ・レーシングのエグゼクティブ・ディレクターに就任してF1パワーユニットの開発を担当する。エンストンのシャシーチームと緊密に協力し、パッケージとしてパフォーマンスを最適化していく。
直近はFIAのスポーツ事務局次長を務めていたファミンは、プジョーでは15年以上にわたりその才能を発揮し、耐久チームの技術プログラムを指揮、2009年のル・マンではプジョー908が優勝し、32レースで24勝を挙げた後、2012年にプジョースポーツのディレクターに就任した。
プジョーのスポーツプログラムの再スタートを任され、クルマを勝利に導くための最先端技術の開発でその才能を発揮し、2013年はパイクスピークでの記録に繋がり、2015年はラリークロスでチーム世界選手権、2016年から2018年のダカールでは3連覇を達成した。
また、プジョーのスポーツカー構想を監督し、当初は競技用として設計された性能重視の技術を市販車に導入する能力を証明した。
■新人発掘・育成を担当するダビデ・ブリビオ
2021年にチームに加わったダビデ・ブリビオは、レース拡張プロジェクト担当ディレクターとして、アルピーヌ・アカデミーを含むすべてのレースカテゴリーを監督し、若い潜在能力の発掘と育成を統括する。
また、モータースポーツ界におけるアルピーヌの新たな可能性を追求し、プロジェクトを立ち上げ、実現させ、アルピーヌの発展を促進するための新たな領域を開拓することも任務としている。