イタリア出身の元F1ドライバーであるイヴァン・カペリが、モナコ人ドライバーのシャルル・ルクレールは2021年に自分がフェラーリのナンバー1だと証明することに失敗してしまったのだと語った。
2021年シーズンにはマクラーレンからフェラーリに移籍してきたばかりのカルロス・サインツがランキング5位となったのに対し、フェラーリの事実上のナンバー1ドライバーだと言われていた24歳のルクレールは7位に甘んじてしまった。
レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は先週、かつてレッドブルの育成ドライバーであったサインツが、ルクレールが言われていたほど優れたドライバーではないことを証明してみせたのだと語っていた。
「サインツにとって不運だったのは、彼のキャリアの重要なときにフェルスタッペンと会ってしまったことだ」
2021年のF1チャンピオンとなったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に言及しながら母国オーストリアの『Autorevue(アウトレビュー)』にそう語ったマルコは次のように付け加えた。
「我々はすでに最初のテストで彼(サインツ)がすぐにものすごい速さを示したのを目にしていたよ。だが、フェルスタッペンとサインツのどちらかを選ぶことになったとき、それは明らかだった」
そのままレッドブルの一員として続けても自分にはフェルスタッペンと同等のチャンスが巡ってくることはないと考えたサインツは、トロロッソ(現アルファタウリ)からルノー、マクラーレンと渡り歩き、2021年にセバスチャン・ベッテル(現アストンマーティン)の後任としてフェラーリに加入している。
サインツとフェラーリが結んでいる現在の契約は2022年までだが、伝えられるところによれば、フェラーリがサインツとの契約を更新する方向で考えているのは間違いないようだ。ちなみに、ルクレールはすでにフェラーリと2024年までの契約を結んでいる。
こうした中、1992年にフェラーリで走っていたことがあるカペリは、母国イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に次のように語った。
「序列を決めるのはサーキットでの結果次第だよ」
「昨年、サインツはほかのチームよりも難しい課題を持つチームに適応しなければならなかった。そして、彼はそれをうまくやってのけた」
「1周の速さではシャルルが上回るが、昨年の彼にはチームリーダーとしての役割が期待されていた。そして、必ずしも常にそれをうまくやれていたとは言えないだろう」
「プレッシャーを背負うことで大きな違いが生じるものなんだ」
「フェラーリはこれから、同じ野心、同じ欲望、同じ勝利のチャンスを持つ2人のドライバーをうまく管理するための準備を始めなければならないよ」
そう語った58歳のカペリは、かつてナイジェル・マンセルとネルソン・ピケを擁したウィリアムズ、そしてアイルトン・セナとアラン・プロストを擁したマクラーレンに言及しながら次のように付け加えた。
「我々イタリア人は序列が必要だと考えているが、イギリス人はマンセルとピケ、セナとプロストというように2人のスターを一緒に走らせることを何度もやってきた。そして、シーズンが進めば、そこに序列が生まれるんだ」
これまでとは大きく異なる技術レギュレーションが導入されることで、全く新たなF1マシンが登場することになる2022年シーズンだが、ルクレールとサインツのどちらが『F1-75』と呼ばれることになるフェラーリ2022年型マシンによりうまく適応できるかも見所のひとつとなりそうだ。