メキシコ出身ドライバーのセルジオ・ペレスが、2020年シーズン後にレッドブルからオファーを受けていなければ、今頃はもうF1キャリアを終えていた可能性があったことを認めた。
2014年にマクラーレンからフォース・インディアに移籍したペレスは、以後イギリスのシルバーストンにファクトリーを構えるチームで長年にわたって活躍。チームオーナーが変わったことでレーシングポイントと名称が変わったチームとは本来2022年までの契約を結んでいた。
だが、2021年からアストンマーティンとチーム名が変わることになった同チームはそれに併せてフェラーリのシートを喪失することが決まっていたセバスチャン・ベッテルの獲得を決定。その犠牲となったペレスは2020年9月に2021年以降の契約が解除されたことが発表された。
その時点ではすでにほとんどのチームの2021年のドライバーラインアップが確定しており、ペレスにとってF1に残留するために残された唯一のチャンスがアレクサンダー・アルボンの去就が明らかとなっていなかったレッドブルのシートを獲得することだった。
だが、その時点ではレッドブルがアルボンを2021年もマックス・フェルスタッペンのチームメートとして起用することをあきらめておらず、ペレスがこのまま2020年シーズン限りでF1の表舞台から消える可能性も残されていた。
しかし、レッドブルは2020年シーズン最終戦アブダビGPを終えた時点でアルボンの続投を断念。そして、12月18日にレッドブルがペレスと2021年の契約を結んだことが発表された。
タグ・ホイヤーのポッドキャスト『The Edge(ザ・エッジ)』に出演したペレスは、2021年にホームレースのメキシコGPで3位表彰台に上ったときのことを質問されると、次のように答えた。
「僕自身、そして僕のキャリアにとってすごくうれしい瞬間だったよ。僕には最初からずっと一緒にやってきた仲間たちがいたからね」
「そして、2020年11月には(2021年の)シートがなかったという事実も忘れるわけにはいかないよ」
「もしレッドブルがチャンスを与えてくれなかったら、僕はおそらくF1でのキャリアを終えていただろうからね」
「素晴らしいことだったけれど、まだ十分ではないよ。いつか僕のホームグランプリで勝ちたいと思っているんだ」
F1引退の危機から一転してトップチームであるレッドブルのシートを得た2021年シーズンのペレスは、第6戦アゼルバイジャンGPで移籍後初優勝を飾ったのを始め、合計5回表彰台に上り、フェルスタッペンの初タイトル獲得にも貢献。ペレスは2022年もレッドブルで2シーズン目、自身通算12年目のF1シーズンを迎えることになる。